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Chez FONFON(シェ・フォンフォン)

フランス校 食べ歩き日記

2019.09.11

今回はマルセイユからすぐ近くの港町vallon des auffes(ヴァロン・デ・ゾウフ)で1952年から今日に至るまで「ブイヤベース」を提供し続けてこられたレストラン「CHEZ FON FONシェ・フォンフォン」をご紹介します。


お店は船着き場すぐ傍にあり、夏のバカンスの時期になると周りのお店にもテラス席が出されまるでお祭りのような活気にあふれた港町と海を眺めることの出来るロケーションのお店です。

シェフのM.Clément Renault (クレモン ルノー氏)が作り上げる、目の前の海でとれた新鮮な魚介類を使用した料理が評判を呼んでおり、中でもスペシャリテの「ブイヤベース」が有名でそれだけを目的に来るお客様も多いそうです。

それでは実際に食べたいくつかの料理をご紹介します。

アミューズはタプナード(注1)とブランダード(注2)

この二つの料理はどちらもマルセイユがあるプロヴァンス地方の代表的な地方料理で、一緒に提供カリカリに焼き上げられたパンを付けて食べるのですが、塩味も程よく旨味があり臭みもなく驚くほどさっぱりと食べることが出来ました。

次に前菜です。

Friture de mer  海でとれた小さな魚介のフライ

目の前の海でとれた小魚やムール貝、小エビをシンプルにフライにした一皿。
周りはカリッと揚がっていますが、中はふんわりしっとり揚がっており、添えてられているサラダも爽やかな酸味でフライとの相性も良く食欲をそそります。


Bouillabaisse

まず、注文した段階で、サービスの方が本日の魚を紹介してくださいました。

「Bouillabaisse ブイヤベース」とはプロヴァンス地方の代表的な料理でオイル、トマト、サフランで風味をつけた魚のスープですが、様々な家庭の作り方や、お店によってアレンジされる事が多く、本来の伝統的なブイヤベースを守るために「ブイヤベース憲章」という取り決めがあり、「地中海沿岸でとれた魚を4種以上用いる」「スープは小魚でとる」などの厳格なルールがあるそうです。

今回は「Rascassse カサゴ」「Galinette ホウボウ」「Fîelas 西洋アナゴ」「Turbot ヒラメ」などの豪華な材料が使われていました。

スープと魚は同じ器で提供されるのではなく、はじめにスープのみを楽しみます。
新鮮な魚介やサフランの香りが食欲をそそり魚丸ごと火を通しているので旨味が凝縮されていて臭みも全くない繊細なスープに仕上がっています。
付け合わせのトーストをスープに浸しながらいただきます。

ひとしきりスープを味わったら、メインの魚介が提供されます。
魚は一匹丸のまま火を通し、骨を外してあります。身がパサつくこともなくしっとりと仕上がっていました。

ここでブイヤベースに欠かせないのが「Rouille ルイユ」と「Aïoli アイオリ」という2つのソース。
ルイユとは唐辛子とニンニクをすりつぶしオリーブオイルで溶いたソースです。
アイオリは細かくすりつぶしたにんにくを加えたマヨネーズのようなソース。

この二つのソースを加えることによってガラッと濃厚さや旨味が増しまた違った味を楽しむことが出来ます。

本場で食べてみたブイヤベースはシンプルでありながら全体的に濃厚で美味しく、必ずまた食べたいと思う味でした。


私たちが伺った日は夏のバカンス期間中ということもあり30人ほど座れる店内が満席になっていました。
満席でしたが、店内には落ち着いた雰囲気がながれており、ご家族やご夫婦でゆっくり利用できるような素敵なレストランでした。


(注1)タプナード:ブラックオリーブやアンチョビをペースト状にしたもの
(注2)ブランダード:塩漬けにされたタラをすりつぶしオリーブオイルを加えマヨネーズのように仕上げたもの


Chez FONFON
住所:140 Rue du vallon des auffes,13007 Marseille
電話:04 91 52 14 38