FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

Domaine de Lintillac ドメーヌ・ド・ランティヤック(パリ2区)

フランス校 食べ歩き日記

2013.06.03

フランスに行ったらフォワ・グラをたっぷり食べてみたい!
おいしいフォワ・グラはどこで食べたらいいの?

今回はそんな人におすすめの、パリにあるフォワ・グラがスペシャリテのお店。
現在パリに2店舗を展開する「ドメーヌ・ド・ランティヤックDomaine de Lintillac」です。

2013年5月に改装に入ってしまいましたが、2区のメトロBourse駅から歩いてすぐのところにある、
鮮やかな赤い外装が印象的なお店です。

地域柄、スーツ姿のお客さんも多く、お店の前でメニュー表を眺めていると、食事を終えて出てきたビジネスマンらしき
フランス人の男性が「C'est très bon! et c'est pas cher!(すごくおいしいよ!しかも安い!」と入店を薦めて
去って行きました(笑)。地元の人もランチで利用するお店のようです。

Lintillac_1.jpg

フォワ・グラ専門店というので、どんな敷居の高いお店かと思ったら、店内は意外にも赤いギンガムチェックのテーブル
クロスで統一され、全体的にかわいい雰囲気。それもそのはず、このお店はフォワ・グラの名産地、ペリゴールPerigord
と呼ばれる地方の郷土料理のお店なのです。
つまり、フランス南西部の牧歌的な地方で培われた、肩肘張らない家庭料理を、その土地の雰囲気で味わってもらおう
というコンセプトのお店です。そう広くない店内ですが、客席がブース上に仕切られているので、狭さをあまり感じることなく、
リラックスして食事ができます。

Lintillac_2.jpg Lintillac_3.jpg

お店に入り席につくと、まず各テーブルに設置されたトースターが目につきます。
これは、料理と一緒にサーヴィスされるパンを各自で温めてフォワ・グラと一緒にお楽しみください、
ということなんだそうです。軽くトーストした温かいパンとフォワ・グラのテリーヌはすごく相性がいいので、
これは嬉しいシステムです。

Lintillac_4.jpg

この日、食べた料理は以下のとおり。

Le pâté de foie gras de canard カモのフォワ・グラのパテ
Lintillac_5.jpg

このパテには「フォワ・グラ50%」と書いてありました。
たっぷりフォワ・グラ自体の味をを楽しみたい場合は、Le foie gras de canard entier(フォワ・グラまるごと)か
Le bloc de foie gras de canard(フォワ・グラのブロック)を注文するといいかも知れません。

Foie gras de canard poêlé カモのフォワ・グラのポワレ
Lintillac_6.jpg

シンプルにフォワ・グラを焼いただけですが、これがとてもおいしい!
焼き加減は絶妙でした。

La salade de gésiers confits 砂肝のサラダ
Lintillac_7.jpg

ペリゴール地方では日常的に食されているサラダです。
この地方に住むの友人宅を訪れたときに、このサラダでもてなしてもらったことがあります。
砂肝や砂ずりと聞くと、こりこりした食感を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、このジェジエgesierは弾力があり
柔らかい食感です。

Le magret de canard mulard pommes sarladaises ミュラールのマグレ
Lintillac_8.jpg

ミュラールmulardというのは、「canard gras(脂の乗ったカモ)」とも呼ばれ、2種類のカモを交配させて
生み出した品種。ほかのカモよりも大きく育ち、大きなフォワ・グラがとれるそうです。
またマグレmagretとはカモのフォワ・グラをとった後の肉のことです。

ポム・サルラデーズpommes sarladaisesとは、ジャガイモをつかったペリゴール地方の町サルラsarlatの郷土料理。
薄く切ったジャガイモをソテーし、ニンニクとパセリのみじん切り、そして本来はフォワ・グラと並ぶこの地方の特産品、
トリュフのみじん切りが入ったものを言います。付け合せとして添えられたのこのサルラデーズには残念ながら
ほとんどトリュフは感じられませんでしたが、ホクホクしていて、おいしかったです。ボリュームたっぷりなのも嬉しいですね。

Le Boudin de canard pané aux noix カモとクルミのブーダン・パネ
Lintillac_9.jpg

リヨン地方にいると、通常ブーダンといえば豚の血と脂でつくった腸詰めのブーダン・ノワールを思い浮かべますが、
ここはやはりカモのブーダン。まったく臭みがなく、まろやかで甘みがありました。ブーダンは苦手、という人でも
食べられそうなマイルド感でした。

今回、フォワ・グラ三昧なランチを堪能しましたが、これだけ食べても一人なんと30~35ユーロ。
地元のフランス人が薦めるように、本当にコストパフォーマンスの高いお店でした。
一皿のポーションはそれほど大きくないので、何人かでいろいろ注文して、フォワ・グラをいろんな調理法で
食べ比べるのも面白いと思います。
また、このお店はフォワ・グラの加工品などを販売するブティックも運営しています。
このお店の名前ともなっているぺリゴール地方のユサックUssacという町にあるフォワ・グラ生産農場でつくられた
フォワ・グラ製品を直売しているというわけです。
食べて気に入ったら、フォワ・グラをお土産に買ってみるのもいいかもしれません。

サン・トギュスタン通り店は2013年5月現在、改装工事中ということで一時閉店しています。
もちろん、お店のコンセプトはそのままに、もう少し現代風に改装するそうです。
どんな風に進化するのか再オープンが楽しみです。

Domaine de Lintillac
10 rue St Augustin 75002 Paris
TEL: 01 40 20 96 27

http://www.lintillac-paris.com/5/Intro.html