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L'Etape Dorée(レタップ・ドレ)

フランス校 食べ歩き日記

2024.07.30

 今回はフランス校から車で20分ほど離れた場所にあるレストラン『L'Etape Dorée』(レタップ・ドレ)を紹介します。

 今日は日曜日。ディジョンに住んでいる友人家族がリヨン近郊に遊びに来るので、ランチを一緒に食べる約束を以前よりしていました。その友人が予約してくれたお店がこのレタップ・ドレです。
 通常フランスの日曜日はレストランをはじめ、ほとんどのお店は閉まっているのですが、日曜日のランチもディナーも開いているなんて嬉しいですね!
 今回はランチに伺ったのですが、家族会が2組、誕生日会が2組あり地元に根付いている感じがしました。

 お店の場所はリヨンとフランス校の中間地点でボジョレ地方の町、L'Arbresle(ラルブレル)にあります。この地方の家屋はPierres Dorées(ピエール・ドレ)と呼ばれ、黄金の石という意味を持つ黄土色の石で建てられているのが特徴です。この町の家々もピエール・ドレでできており、ボジョレらしい街並みが広がります。
 お店の中も同じ造りになっており、趣があります。

 まずはスタッフの方々の紹介から。
 シェフの宮﨑 陽(よう)さんはリヨンの2つ星レストラン『TAKANO TAKAO』(タカノ・タカオ)の副料理長として働かれていた方です。その他、キッチンには日本人の女性の方が2名働かれていました。

 また、ソムリエの橋野弘樹さんは『Au 14 Février』(オ・キャトールズ・フェヴリエ)で働かれていました。橋野さんと共同経営者のConstant DELOUIS(コンスタン・ドゥルイ)さんと始めたレストランで、2024年1月にオープンしてからまだ半年しか経っていませんが、週末は常に満員のようです。
 この日のディナーも席が埋まっているようで、日曜日も開けて週末の集客を狙っているそうです。

 メニューはカルト・ブランシュといってどんな料理が出てくるかはお楽しみ。
 49€はアミューズ、オードブル2品、メイン料理、デザート、お茶菓子
 74€はアミューズ、オードブル3品、メイン料理、デザート2品、お茶菓子
 といった内容です。この他、チーズを頼むと9€プラスされます。


まずはシャンパーニュで乾杯!


 Francis Boulard & Fille, Les Rachais
 鮮明なミネラル感を感じとれ、とてもエレガントなシャンパーニュでした。

 最初に一口サイズのおつまみ『アミューズ・ブーシュ』が出てきました。
 1つ目は鱒のタルタルがカリッと焼かれた生地の中にたっぷりと詰まっています。2つ目は丸い形の揚げたパン生地の中にフェタチーズのクリームが入っています。トマトとバジリコの風味、焼いたそら豆の香りがよく合います。プレゼンテーションもかわいらしいですね。



 先ずは冷たいオードブルから。
 鰤(ぶり)を使った一品ですが、まさかフランスで食べられるとは驚きでした。初夏から旬が始まる胡瓜や桃などの角切りに、シェリー酒酢やオリーブ油で風味がつけてあります。ブッラータというイタリアのチーズでクリーミーさをプラス。また、ワカメのパウダーもふってあるので、程よい磯の香りも楽しめるものでした。


 次に温かいオードブルです。
 うさぎはコンフィという、油の中でゆっくりと火を通す調理法で仕上げられていました。ソースはうさぎの骨などを焼いて作ったソースに、ミュール(桑の実)のビネガーを加えてあります。しっかりと味が乗ってエッセンスのような凝縮した味わいでした。つけ合わせはゆでたてのさやいんげんや落花生が添えられていました。

 オードブルに合わせて白ワインをいただきました。

 Sancerre, Domaine Pellé, 2022
 ロワール地方のワインです。こちらは柑橘類と花の香りが美しくミネラル感がふくよかなので、酸味の効いたオードブルとの相性がとても良かったです。


 メイン料理は豚肉です。
 ロース肉はシンプルにローストしてあるのですが、ジューシーさ、弾力、歯切れの良さがたまらなく美味しい!つけ合わせはじゃがいもを使ったグラタン・ドフィノワと、さっと炒めたほうれん草です。ポルト酒を使ったソースを目の前でかけてくれる演出もいいですね。


 メイン料理にはもちろんブルゴーニュ産の赤ワインをチョイス。
 La Pousse d'Or, Volnay 1er cru, Les Caillerets, 2017
 ブルーベリーなどの黒い果実の風味や、アニスやローリエのようなハーブの香りが楽しめます。思いのほか渋みはソフトでしたが、旨味のある豚肉にも負けない感じでした。


 赤ワインも美味しいので、チーズも食べたーい。
 リヨン近郊で作られるチーズや、フランスで有名な種類のものをたくさん取り揃えられていました。
 私はブリヤ・サヴァランにトリュフを挟んだものと、エポワスをチョイス。隣に座った同僚はオーヴェルニュ地方のブルーチーズや、香辛料をまぶしたヤギのチーズなどを頼んでいました。

 また、チーズをより美味しく食べるために2つのものが添えられています。
 ①ほうじ茶風味のクルミのキャラメリゼ
 ②りんごのコンポート



 最後にデザートです。
 洋梨のコンポート、クランブル、アールグレイのエスプーマ、バニラアイスクリームが盛られています。
 コンポートの柔らかさ、クランブルのザクザク食感、アールグレイとバニラの香りが美味しさを引き立てるデザートでした。


 最後にコーヒーとお茶菓子です。添えてある砂糖の器も日本っぽくてステキですね。

ピスタチオクリームとチェリーを詰めたタルトレット。ホワイトチョコレートをまとったブラン・マンジェ、中にはフランボワーズとリュバーブのジャムを詰めています。

 コース料理の最初から最後まで、日本人の繊細さを存分に感じることができました。ラルブレルの周辺にも美しい町や村がたくさんあるので、足を運んだ際は散歩をしながらボジョレの街並みも楽しんでください。

『L'Etape Dorée』

 27 Rue Pierre Brossolette, 69210, L'Arbresle
 Tél:+33 (0)4 37 58 02 47
 HP:L'étape dorée (etapedoree.fr)