M. Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏) / Maison DECORET(メゾン・デコレ)
今回の外来講習は、リヨンから車で2時間ほどのオーヴェルニュ地方にあるVichy(ヴィシー)という町のミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET(メゾン・デコレ)のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏にお越しいただきました。
デコレ氏は「La Côte Saint-Jacques ラ・コート・サン=ジャック」、「Troisgros トロワグロ」、「Arpège アルページュ」、「Régis MARCON レジス・マルコン」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1997年にヴィシーにレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。
今回は2品の料理を作っていただきました。
Cylindre de céleri brûlé / mosseline / jus brun corsé / pollen
1品目は、根セロリをメインとして使用した前菜です。
根セロリの皮をむき、薄いバンド状にカットします。干し草の香りをつけた鶏の出し汁の中で火を通し、水気を切ってレモンの皮を散らしてシリンダー状に巻きます。その後、バーナーで全体を焦がして香ばしさを出します。
次に皮をむいた根セロリをキューブ状に切り、牛乳と水の中で火を通します。やわらかくなればミキサーにかけて生クリームとバターを加えてムースリーヌにします。残しておいた根セロリの皮を鍋で軽く炒めた後、オーブンに入れしっかりと色づけます。水を加えて味が凝縮するまで煮詰めてソースとします。根セロリを薄くスライスし、型で丸く抜いて氷水に30分浸けます。水気を切り、白バルサミコ酢とヘーゼルナッツ油で和えてサラダにします。
お皿に根セロリのムースリーヌ、シリンダー状の根セロリ、根セロリのサラダ、Pollen(ポレン)というミツバチが集めた花粉を乾燥させたもの、焦がしたブリオッシュ生地のパウダー、セロリの葉、根セロリのソースを別に盛り完成です。
根セロリの風味を様々な食感で感じられる一皿となっていました。
Noix grasse de ris de veau rôti /purée échalote / épinard maquereau fumé / jus de veau beurre noisette
2品目はリ・ド・ヴォ(子牛の胸腺)を使った料理です。
リ・ド・ヴォは5日間水にさらして、血抜きします。その後、水から下茹でして冷やし、水気を切って重しを乗せて余分な水気を切ります。こうした下処理をした後、フライパンにバターを熱して表面がカリッとするまでじっくりと焼きます。
ソースは2種類作ります。
1つ目は子牛の骨やくず肉を焼いて、子牛の出し汁で煮出した液体をしっかりと煮詰めます。最後に焦がしバターとレモン汁と皮を加えます。
2つ目はエシャロットのみじん切りと鶏のだ出し汁を煮詰めます。ヴェルモット酒と生クリームを加えて煮詰めた後、ミキサーにかけて漉します。エシャロットのピューレを作ります。薄切りにしたエシャロットをバターと砂糖でじっくりとキャラメル色になるまで炒めます。少量の鶏の出し汁を加えてエシャロットがやわらかくなるまで火を通し、ミキサーにかけてピューレ状にします。
つけ合わせはほうれん草をラップに並べ、エシャロットのみじん切りとレモンの皮を散らしてさらにその上にほうれん草を並べます。再びラップをして平らな状態にし、蒸して火を通します。その後、冷凍してバンド状にカットします。そこにサバの燻製とレモンのコンフィを置いて巻きます。
お皿にエシャロットのピューレ、ほうれん草のロール、焼いたリ・ド・ヴォ、ほうれん草の葉、エシャロットのチップ、焦がしバター、ソース2種類を別に盛りつけます。
リ・ド・ヴォの食感と2種類のソースの相性がバッチリで、エシャロットとほうれん草も良いアクセントになっている一品でした。
講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフで揃って記念撮影をしました!