調理外来講師 M. Akrame BANALLAL(アクラム・ベナラル氏)/Akrame(アクラム)
フランス料理研究課程の学生達は、間もなく始まる前期の実技・筆記試験の準備で頑張っている所です。
そんな中、今回はなんとパリから講師の先生をお迎えいたしました。
パリ16区の凱旋門の近くにある人気店、ミシュランで2ツ星のレストラン「Akrame(アクラム)」のシェフ、
Akrame BENALLAL(アクラム・ベナラル)氏です。2014年のミシュランで2ツ星を獲得したばかり、まさに今最も
注目されているシェフのひとりと言えるでしょう。当日はアシスタントとして、Emily ROUX(エミリー・ルー)さんがシェフに
同行され、一緒に講習を担当していただきました。
シェフ アシスタントのエミリーさん
外来講師の多くのシェフは事前に料理の内容を決めて材料の準備をするのですが、今回は材料をすべて、講習が
始まってから決めていくという、まるで即興詩人であるかのようにその場にあるもので授業を進めていただきました。
しかも1時間30分ほどの時間で、デザートを含め4品を披露していただきました。
いつもとは少し違い、材料をいろいろな中から選んでいただけるように準備しています
材料を準備しながらデッサンして料理のイメージをされている所です。いつもメモを欠かさないでおられるそうです
まさに神業のようでしたが、料理に取り掛かる前に、やはり基本となる調理法や素材の扱い方、組み合わせ、もともとの
味や形をむやみに変えないこと、食感、色合いのバランスなどが大切であることをお話しされていました。
☆今回披露いただいた料理4品
Rouget / Cerise / Chou Fleurs
スリーズは実をジュースにし、オリーブ油、こしょうをしたものを1部作りソースとします。ルージェのフィレにスリーズの
ジュースを絡めて塩をし、オーブンで火を通します。
カリフラワーは、ブーケを薄切りにしたもの、ソミテ(先端の部分)にしたものに分け、それぞれバターで炒め、薄切りには
スリーズのジュースを合わせます。皿にカリフラワーを盛り付け、ルージェを置き、赤ワイン酢につけたスリーズの実を
添えます。
Asperge Blanche / Pomme / Amande /
アスパラガスは、下処理して下の堅そうな部分を、ジューサーミキサーでジュースにします。穂先の部分をバターで
炒めた後、このジュースを使ってグラッセにします。アスパラガス、ライムの果肉、生アーモンド、リンゴの丸く抜いた
薄切りを皿に盛り、グラッセした際の液体にライムのゼストを入れ、ブイヨン・ド・レギュームで調整します。
生のアスパラガスをそのまま薄切りにして、丸めて添えます。
Pigeon / Abricot / Girolle
ピジョンを胸肉だけにして、油脂を使わず、ピジョンの持っている脂分だけで火を入れていきます。その際出た油脂分で
ジロール、角切りにしたアプリコット、薄切りにしたオニオンヌーヴォーを炒め、仕上げにバターを少量加えます。胸肉の皮は
焼き上がりに外し、小さく切り付け合せに混ぜます。アプリコットをペタルしてピジョンの胸肉に重ねて置き、縦半分に切る。
付け合わせ、胸肉を盛り付けます。
Avocat / Praliné petit pois / Pistache
砂糖・水でシロップを作り、プテイ・ポワ、ピスタチオナッツを入れプラリネを作り、最後に少し塩をしてバターを加え、荒熱を
取りながらレモンのゼストを加えます。アボカドをピュレにして、水、生クリームで濃度を調節して、砂糖を加え漉しサイフォン
に入れます。アボカドのムース、プラリネを盛り付けます。
シェフを囲んで、助手を務めた工藤恵太君(右)、中路宗一郎君(左)、エミリー・ルーさん
最後に全員での記念撮影をしました。
こんな場面もありました。