調理外来講師M. Sebastien BRAS(セバスチャン・ブラス氏)/Restaurant BRAS(レストラン・ブラス)
エスコフィエ校では、昨日に引き続き3ツ星レストランのシェフに来校いただいての授業となりました。
牛の放牧も行われているAubrac(オーブラック)地方のLaguiole(ライオール)より「Restaurant BRAS
(レストラン・ブラス)」のSébastien BRAS(セバスチャン・ブラス)氏です。
ライオールと言えば、チーズや刃物で有名な場所です。今回はお父様ミシェル・ブラス氏が、世にブラス氏お店の存在を
確固たるものにしたといっても過言ではないスペシャリテでもある「Gargouillou de jeunes légumes(ガルグイユ・ド・
ジュンヌ・レギュム)」と、現在もセバスチャン・ブラス氏によってますます進化していることが感じられるデザートを
紹介いただきました。そのため今回は、料理・お菓子を学ぶ学生が合同で授業を聴講しました。
料理・お菓子の準備に取り掛かる前に、まずシェフから学生達に「皆さんは、なぜ料理の道・お菓子の道を
選んだのですか?」との問い掛けがありました。学生達の答えは、日本でフランス料理レストランで食事をした時の
衝撃があったから。また母親が作ってくれたお菓子がとても美味しかったからなどさまざまでした。
その後、シェフ自身がこの道に進んだのは、自然な成り行きであったこと。それは、祖母から父親の代と受け継がれた
レストランである環境で育ったこと。また家の周りではその土地でしか入手できない貴重な食材があり、それを
幼いころから触れていたことなどであることをお話しされました。
持参いただいた自生する野草や花など
そのような経験から、野菜の切り方などは、その日の食材の状況でよりよくなるように変える工夫が必要だと
教えていただきました。またシェフは来日経験から味噌の使い方や、木の芽を使う効果などが興味深く、
その後の料理に影響を与えたこと。また芋の種類には、じゃがいもだけでなく、さつまいものようにお菓子としても
使用すること知り、自国フランスのじゃがいもをうまくお菓子に使えないか考えたものが、今日紹介いただいた
デザートの原点でもあるということでした。
<☆今回披露いただいた2品>
Gargouillou de jeunes légumes
毎日100種類ぐらいの野菜や香草などを用意し、最適な大きさに処理して火を通すものは、最高な食感を残すように
塩ゆでします。生ハムを軽く温め、そこにさまざまな野菜を入れて軽く温めながら香りを移します。
また様々なニャク(日本の薬味のようなもの)を用意し、皿にニャク、野菜、香草、食用の花などを彩りよく盛り付けます。
Gaufrette de pomme de terre, crème au beurre noisette, caramel au beurre salé
じゃがいもを薄く板状にむき、シロップに漬け込み、波打つように乾燥焼きできる器具にはさみます。焼き上がりのものを
2枚用意して、その間にノワゼットバターを利かせたクリームとキャラメルソースをサンドして上から粉砂糖を振ります。
シェフを囲んで、助手を務めた宮川拓之君(左側)、原撤君(右側)