調理外来講習 M. Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏)/Maison DECORET(メゾン・デコレ)
今回は、オーベルニュ地方にある温泉地ヴィシーVichyで、レストラン「メゾン・デコレ Maison DECORET」(現在、『ミシュランガイド フランス』で1つ星)のオーナーシェフをされているジャック・デコレ氏にお越しいただきました。デコレ氏は名だたるレストランで修行された後、1996年にM.O.F.を受賞。基本に忠実ながらも、見た目、味ともに楽しさや驚きのある料理を創り出す、アイデアに長けたシェフとして知られています。
一品目の料理はこちら。
La noix de Saint-Jacques dans la coquille
L'oignon doux des Cévennes en deux textures
この料理は、シンプルにほたて貝と玉ねぎとオレンジを組み合わせた料理です。
さっと焼いたほたて貝の貝柱にオレンジ風味の香ばしい衣がのっており、下にはあめ色になるまで炒めた玉ねぎ、ソースも玉ねぎの香りのつまった牛乳の泡、上にアクセントとしてりんごを散らしています。シンプルながらも一つ一つのパーツは丁寧な細かい仕事が施されている、冬らしい一品です。
二品目の料理はこちら。
Jeune perdreau gris de chasse cuit longuement,
Jus de braisage aux saveurs de châtaigne
こちらはやまうずら若鳥と冬の野菜を使った一品。メインのやまうずらは胸肉の部分は60℃の低温調理でしっとりと仕上げ、もも肉の部分はやまうずらの骨から取ったソースで3時間かけて煮て柔らかくするという、2つの調理法を同時に楽しめる料理です。付け合わせにはきくいもやアーティチョーク、栗、ミニキャベツなど冬の野菜をそれぞれに合った方法で火を通し添えています。素材の味を最大限に生かしながら、とても手間をかけて作られています。
「メゾン・デコレ」はフランス校の研修先にもなっており、研修生の藤岡健也君も一緒に講習に来てくれました。デコレ氏からも信頼されており、日頃からそばで仕事をしている様子が伝わってきて、学生たちにも良い刺激となったようです。
講習のアシスタントを務めたのは、フランス料理研究課程の藤田真也君(左端)、信夫那和子さん(左から二番目)、林亜寿郁さん(左から四番目)、浦上裕太君(右から二番目)、高橋優君(右端)でした。