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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏) / Régis et Jacques MARCON(レジス エ ジャック マルコン)

フランス校教壇から

2023.01.30


今日の外来講習はミシュランガイド三ツ星レストラン「レジス エ ジャック マルコン」からジャック・マルコン氏にお越しいただきました。

リヨンから車で1時間半ほど離れたSaint-Bonnet le froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村の山頂エリアにオーベルジュがあります。そこには三ッ星レストランとビストロ、パティスリーがあり、家族で経営をされています。

今回講習に来ていただいたジャック氏は、現在同店の統括シェフとしてレストランを運営されています。ジャック氏はレクレール校で数か月間の研修経験があるのでナレ先生は師匠でもあり、現在の研修生の先輩でもあります。その後スイスの名店ジラルデを始め地方のグランメゾンで経験を積みました。先日行われた2023年ボキューズ・ドール・フランス料理コンクールのフランス代表の試食審査員も務められ、幅広く活躍されているシェフです。

店名になっているジャック氏の父のレジス氏は、1995年ボキューズ・ドールの優勝者で、現在もジャック氏と一緒に調理場に立っています。きのこを使ったさまざまな料理を生み出すことから「きのこの魔術師」とも呼ばれ、その他にもレンズ豆、土地の香草や食材を活かし、地産地消で独自の料理を作られています。

山頂にあるレストランの店内は一面のガラス窓で、そこから見える景色には壮大な自然が映し出されます。お店のシンボルでもあるセップ茸やレストランの周り一帯で自然に作られる香草など自然を満喫しながら味わえる料理と演出が魅力的なレストランです。

今回はムール貝の料理とお店のスペシャリテである子羊の料理を作っていただきました。
まずは、1品目はムール貝の料理です。

Marinière de moules à la cistre des prés

ムール貝はどこでも食べることが出来ますが、マルコン氏のレストランでしか食べられない1皿に仕上げるため、土地の香草であるアルプスフヌイユを使用します。

ムール貝はクラシックな料理である白ワイン蒸しをして殻から外します。その時にムール貝にから出た出汁にアルプスフヌイユを入れ香りを移し、パセリバターを加えてミキサーにかけ、色鮮やかなうまみのあるソースに仕上げています。野菜はムール貝と相性の良い人参、セベット、フヌイユを使い、食感が残るように火通しして盛りつけた後にフレッシュ感を与えるためサラダ菜を合わせます。最後に店のシンボルでもあるキノコをソテーして盛りつけます。今回は日本でも馴染みのあるシイタケとしめじを使用しました。

研究生もシェフの指示を聞きながら一緒に盛りつけをしました。

次に2品目は子羊の料理です。

Selle d'agneau en croûte, risotto épeautre aux cèpes

子羊の鞍下肉は表面に焼き色を付けパン生地で包みますが、その際土地の香草であるアルプスフヌイユの干し草を入れて香りを子羊肉に移しながらオーブンで火を通します。綺麗なロゼ色に仕上げるコツも伝授してくれました。ソースは肉を下処理したときに出る肉を使い、じっくり時間をかけて濃いソースを作ります。
つけ合わせはスペルト小麦のリゾットです。リゾットは野菜の出汁と乾燥セップ茸の戻し汁を使って火を通し、最後にチーズを加えて香りとうま味の詰まったリゾットに仕上げます。黄金かぶ、ちょろぎ、芽キャベツはそれぞれ火通しし、野菜の出汁とバターでからめて盛りつけます。
レストランでこの料理を注文するとパンに包まれた状態で運ばれ、お客様にプレゼンテーションされます。パン生地を切った時に広がる香りを楽しむことができます。


料理講習中は研修に向けて必要なことを多く話していただき、研究生たちも研修の大事さが分かり、意識が高まったと思います。

講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフで揃って記念撮影をしました。