外来講習 専門講義 M. Jacques THIBAUD(ジャック・ティボー氏)
今期初めての専門講義のテーマはチーズです。
今日お越しいただいたのはジャック・ティボー氏。
CRIEL(ローヌアルプ地方酪農協同組合)で勤めた後、近年はベトナムで乳製品の普及活動をされるなど、活動範囲を海外に広げられ、豊富な知識を世界に広められています。フランス校にも毎期お越しいただいているお馴染みの講師です。
「チーズが苦手な人はいますか?」と講義は始まりました。
内容は3つに分かれており、まずチーズの製造方法、チーズの種類、最後にお楽しみのデギュスタシオンDégustation(試食)です。
製造過程は 、原料となる牛乳の成分から始まり、牛乳の凝固、型詰、塩を加えて乾燥し熟成する過程について図を使いながら、分かりやすく説明されました。
「どうしてこの工程が必要なのか」と理由も述べられていてかなり専門的な知識をもりこんだ内容。
これがすべてのチーズの製造に共通するベースとなります。
チーズは形や姿によって分類されます。
特にヤギのチーズは形が決まっており特徴的です。
レストランでチーズを出されたら形を見てどの種類かがわかるように解説もあり、「匂いが苦手なら、クルートcroûte(チーズの周りの固い部分)を取ってもらうと食べやすい」など、実践的な内容でした。
ときおり「質問はありませんか?」と研究生の理解度を確認しながら講義をすすめられ、彼らのひとつひとつの問いかけに丁寧に答えていただきました。
チーズの形についての質問から、チーズをめぐる経済事情の話になり、チボー氏の乳製品をめぐるあらゆることについての知識の深さがうかがわれました。
最後はおまちかねのデギュスタシオン。
チーズを食べる時は、複数の種類が提供された場合、味の薄いものから濃いものの順番で食べること、製造過程で使用したアルコール飲料や、チーズと同じ産地のワインと合わせると良いなどおいしい食べ方を教えていただきました。
「ぜひみなさんの国でチーズのおいしさを広めて下さい。」と激励の言葉で講義が終了しました。
フランス料理のフルコースには欠かせないチーズ。
今回学んだことを活かして、ぜひ滞在中にいろいろと食べて知識を深めてください。