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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Alain PERRILLAT MERCEROT(アラン・ペリヤ=メルスロー氏) /Atmosphères(アトモスフェール)

フランス校教壇から

2023.05.23

今回講習に来ていただいたのは、フランス東部サヴォワ地方にある湖、「lac du Bourget」ブルジェ湖付近の小高い山の上にあるレストラン「Atmosphères」(アトモスフェール)のAlain PERRILLAT MERCEROT(アラン・ペリヤ=メルスロー)氏です。

このレストランは2009年よりミシュラン一つ星を維持されており、また2022年4月現在世界でも359軒のレストランしか受けていない、サスティナブルな(エコロジーに積極的に取り組んでいる)レストランの称号グリーンスターも獲得されています。2009年に「世界のレストランベスト500」にも選出されました。さらに、フォアグラの名門ルジェ社より最優秀若手料理人として表彰されたこともあり、マルチな活躍をされている実力派シェフです。

ペリヤ氏のテーマは【地産地消】で、土地の食材、季節の食材を用いて構成されています。中でも野菜と魚料理に定評があり、湖から獲れる新鮮な淡水魚が入荷されて10種類以上を調理されています。今回は野菜と魚料理の2品作成していただきました。

料理名は無いため、主材料と料理内容の説明をします。

1品目は今が旬のアスパラガスの料理です。

ホワイトアスパラガスは塩湯がきにして、表面をバターで焼き色を付けるようにソテーします。上にはアスパラガス、燻製した豚頬肉の塩漬け、乾煎りしたクルトンの角切り、くるり油、くるみ酢を混ぜ合わせたもの、お花、香草を散らしています。ソースには卵黄、くるみ酢、鶏の出し汁に燻製した済ましバターを乳化させた香り高いソース・オランデーズを添えています。

シェフのアシスタントをしている研修生です。少しだけですが、シェフとフランス語でコミュニケーションが出来ていました。講習中ですが、シェフのお茶目な一面を見せていただきました。

淡水魚のかわかますを使用した料理です。

かわかますのすり身に生クリーム、卵白、唐辛子パウダーを混ぜ合わせたムースを型に敷き詰めてコンベクションオーブンの蒸気モードで火を通し、冷却します。正方形に切って薄切りにしたパンを敷きます。オリーブ油でパンの面を香ばしく焼いてカリカリにします。ムースの下にはブレット(ふだん草)の軸を棒状、葉の千切り、ポルモニエの角切り(サヴァワ地方のソーセージで中には豚肉、ほうれん草、ブレットの葉、ポロネギを詰めている)をバターでしんなり炒め、サヴォア地方のヴェルモット酒、魚の出し汁を加えて煮詰め、仕上げに生クリームを加えたソース兼つけ合わせを添えています。

ヴェルモット・ロタンは、サヴォア地方にあるシャンベリーで生産されるフレンチ・ヴェルモットです。 サヴォア地方で特別に生産された白ワインに、35種類ものハーブやスパイス類を配合し、さらに原料の味わいを生かすため、4~6ヶ月もの長期間におけるマセラシオン(浸漬)を行っています。添加物、保存剤などの使用も一切ない、サヴォワ地方の原材料しか使わない、唯一のヴェルモットです。

講習後に研修生から研究生に向けて、アドバイスを頂きました。1番苦戦しているのが、フランス語でした。仕事場でのコミュニケーションの取り方が大変で、研修当初は全然分からなくて困ることが多かったそうですが、親切なスタッフが身振り手振りで教えてくれて少しずつ分かるようになっているそうです。研究生は普段からフランス語に苦戦しているので、改めてフランス語の大切さを感じることができる貴重なアドバイスでした。



講習を受けた研究生から感想を聞くと「バターを燻製する発想が無くて実際に食べた時に口の中に広がる燻製の香りと、バターのコクが強く感じて新しい発見になりました。」

「アスパラガスは大きな塊でしか食べたことが無かったが、小さな角切りで食べても存在感が残っていて驚きました。」と、さまざまな感想がありました。

最後にシェフと記念写真を撮りました。