製菓外来講習 M.Christian DORANGE(クリスチャン・ドランジュ氏)
今回の外来講習はクリスチャン・ドランジュ氏に来ていただきました。
ドランジュ氏は2000年に行われた氷の彫刻の大会でフランスチャンピオンに輝いた実績があります。現在はフランス各地の製菓の学校で後進の育成や、イベント会場などでその腕前を振るってらっしゃいます。
氷のピエスモンテ(細工)の講習を見るのは初めての研究生達!この日を心待ちにしていました。準備していただいた氷などを運び込み講習のセッティングを着々としていただき、講習がスタート!
デッサンを書き、しっかりイメージをして氷に表現していきます。
形が決まれば、電動のこぎりなどを使い、大まかに形を作っていきます。
今回用意していただいた氷の柱は1mもある大きなもので重さはなんと150㎏!
彫刻用の上質な(透明度の高い)氷を作るためには、水質の良さと凍らせる温度も重要だそうで、この氷柱を作るのに−6℃~−8℃で4~5日間かけてゆっくりと凍らせていくことで、透明度の高い氷になるそうです。
削った氷を浴びながら、手を止めることなくどんどん切っていきます。
この日は暑くはありませんでしたが、氷が溶けるには充分な気温。時間との勝負でもあり、削る手が止まることなく進んでいきます。
細かな表面の細工は鑿(ノミ)を使い表現していきます。いくつかあるうちの鑿の中には日本製のものもあるそうで、とても使い慣れていてとっても良いとのこと!
ただ削るのではなく、動きがあるように表現するにはどのように削るのか、削ると同時に溶けても行く氷を計算しながら削っていく難しさなども教えてくださいました。
最後に細かな調節をして・・・そしてついに完成!!!
今回のテーマは『カジキマグロ』でした。今にも飛び跳ねそうな仕上がり!ライトを当てると削られたこまやかまフォルムが浮き出てきて、繊細さが伝わってきます。
研究生からのコメント
「初めて氷細工を近くで見ました。四角い氷の塊からどんどん魚の形に変化していく過程が非常に面白かったです。氷が解けるのを計算し、機械で大胆に削ったり、細かい部分はのみを使い慎重に削ったりと、正面からでなく横から見たときにも躍動感が出るように考えられて表現されているのには凄い!と思いました。」
最後はドランジュ氏と共に記念撮影!
さてさて、講習後・・・
飾られたピエスモンテをみんなで触っていました!!
「すごい!すごい!!めちゃくちゃ滑らか!」「すべすべ~!」
間近で見て触れるのも講習の醍醐味ですね。
今までに見たことない新鮮な講習だったのでは・・・
Merci, M.DORANGE!!