調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏)/Maison DECORET(メゾン・デコレ)
本日のレクレール校の外来講習は、毎期レクレール校とエスコフィエ校の両校で講習を行ってくださる、フランス中央部ヴィシー(Vichy)にある1ツ星レストラン「メゾン・デコレ」のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏でした。
デコレ氏のお店は研修先としてレクレール校の研究生を受け入れていただいています。
1996年にフランス最優秀職人章(M.O.F.)を受章されており、1998年にご自身のお店をオープンして今年で20年。
デコレ氏は料理の想像力がとても豊かで知られています。味や風味の引き出し方に独特な技術をお持ちで、料理の盛り付けも繊細です。
まずは一品目
Sur l'idée d'une soupe aux choux, l'huître de Gillardeau n°2 / Grillon et graisse de porc.
お店の定番メニューです。
シューカールという丸く包まれていない特殊なキャベツでスープを作ります。緑色の鮮やかな色を残すテクニックとして、ほうれん草と少量の重曹を使います。そこへ生牡蠣のグリエ、豚バラ肉の塩漬けをスライスしカリカリになるまで焼いて細かくカットしたもの、ライ麦パンのクルトン、シューカールの若芽を揚げて、スープの上に飾ります。
またこの料理は、キャベツのスープに豚の塩漬けを合わせたオーベルニュの地方料理がもとになっていて、豚の塩漬けの代わりに生牡蠣のグリエで再現した一品にしたということです。
講習中も素材一つ一つについて細かく説明をされ、研究生も内容を熱心にノートに記入していました。
次に二品目
Grosse langoustine à peine cuite, Voile de carotte et lait de poule au cumin
このメニューは、シェフの「ニンジンを美味しく食べてもらえる方法」という考えからできたということです。
ニンジンの葉で作った乾燥パウダーを下にきれいに敷いて、ニンジンとの相性の良いオレンジのピューレ、レモンの風味を軽くきかせたオレンジソースを盛りつけます。姫ニンジンは、バターで軽く炒めた後にヴィシーの有名な水で火を通したシンプルな付け合わせです。最後にメインのラングスティーヌを低温で半生になるように火を通し、表面だけ軽くフライパンでサッと焼きます。その上にレモンの風味をきかせたニンジンのジュレをかぶせて、ニンジンに見立てたアイデアのある一品でした。研究生たちは、加熱の段階で鍋蓋をせずラップで密閉し、しっかりと人参の風味を残すというシンプルな調理法に大変驚いていました。
授業の終わりに、現在研修中の中村吉輝さんが、毎日の仕事内容を話してくれました。研修先のレストランにも慣れている様子で、日々の生活など詳しく研究生たちに伝えていました。
最後にシェフを挟んでアシスタントを担当した研究生たちと記念撮影をしました。
写真奥左から山本岳先生、シェフ、同じく研修生の伊藤宗真さん、
手前左から幸晃弘さん、中村吉輝さん、六車大輝さん、福岡明さん。