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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Jean-François MALLE (ジャン=フランソワ・マル氏)/ La ROTONDE(ラ・ロトンド)

フランス校教壇から

2022.12.01


今回講習に来ていただいたのは、リヨンから北西に車で約20分。Charbonnière les Bains(シャルボニエール・レ・バン)にある「Restaurant la Rotonde」(レストラン・ラ・ロトンド)のJean-Flançois MALLE(ジャン=フランソワ・マル)氏です。このレストランは2015年から現在までミシュランの星を維持しており、自然公園の中にあるの5ツ星ホテル&スパ「le Pavillon de la Rotonde」(ル・パヴィヨン・ド・ラ・ロトンド)内にあります。道を挟んでカジノが併設されていることも特色です。

マル氏はブルターニュ地方出身で、地元のホテル学校で学び、その後地元のミシュラン星付きのレストラン、そして三ツ星レストランであるレ・プレ・ドゥジェニーでミッシェル・ゲラール氏の元で働きました。そこからケストンベールの星付きレストランや、スイスの星付きレストラン、2005年からはリヨンのル・ベック、その後ボキューズドール2021で優勝することになるダヴィ・ティソー氏の元ヴィラ・フロランティーヌで4年過ごした後、メトロポールホテルでシェフとして就任されました。2012年から現在のラ・ロトンドに移り、2013年にはパテ・アン・クルートの世界大会で優勝され、現在に至るまでラ・ロトンドのシェフを務められています。

今回の講習では2品の料理を作っていただきました。ブルターニュ出身のシェフは魚料理を得意とし、イオデという海の香りを大事にしているそうですので、今回の料理も2品とも魚介類となっています。


Carpaccio de Saint jaques de la baie de Morlaix 《Brocori, Pomme Granny, Sésame》

帆立貝のカルパッチョの料理です。ブルターニュ地方にあるモルレー湾から取れた帆立貝を使っています。帆立貝の味付けにはポン酢やゴマ油、リンゴ絞り汁などが使われています。残りの帆立貝をリンゴの角切りとタルタルにし、リンゴの絞り汁に牡蠣から出た水を混ぜて緑に着色したあと、ベジタブルゼラチンで固めたシートをのせます。ブロッコリーをゆでた後、ミキサーにかけバターを溶かしこみ、最後に柚子の絞り汁を加えて味を調えた後、エスプーマの容器に詰めてガスを混ぜ込み、気泡を加えます。最後に色とりどりのカリフラワーのピクルスを散らし、華やかな一皿になりました。


盛り付けを近くで観察するアシスタントの研究生。


Truite du Jura en Croute de Pain《Pomme dorees, Pickles et ail fume》Sabyon Beurre Blanc

ジュラ地方の鱒(トゥルイット)を使った料理です。鱒の身は柔らかいので、食感を足すために表面に薄く切った食パンを貼り付けて焼いています。じゃがいもを筒状に切り、水とバターで火を通し、ちょうど火が通ったところでそのまま蓋をして、焼き付けてきれいな色を表面につけます。この時の塩の仕方の理論をシェフに話して頂いたところ、研究生も新たな理論に興味津々でした。

ソースのサバイヨンブールブランは、材料をサイフォンに入れたあと63℃で加熱します。基本的なサバイヨンの作り方は卵に空気を含ませてから加熱してバターを乳化させていきます。しかし、シェフの作り方は混ぜた後加熱したのち、ガスを入れることで空気を含ませるという方法で、逆転の発想に研究生も驚いていました。

助手をしていた学生のコメントです。

「とても仕事が早くて綺麗でした、洗い物もほとんど出さずにされていたので自分もそうしたいと思いました。」

「食材の選択や、作業、盛り付けの一つ一つに目的をもって説明の出来るようにされていて、自分も料理に対して目的や理解を深めていきたいと思います。」


シェフと助手を務めた研究生。