調理外来講習 M.Mathieu BARBET(マチュー・バルベ氏) Château de Codignat(シャトー・ドゥ・コディニャ)
今回はエスコフィエ校から車で2時間ほど、フランスの中央部に位置するクレルモン・フェランの近くにある5つ星のシャトーホテル・レストラン「Château de Codignat」(シャトー・ドゥ・コディニャ)からマチュー・バルベ氏に来ていただきました。
12世紀のシャトーを改装したホテル・レストランは、歴史ある調度品をそろえたシャトー内の宿泊施設だけではなく、別棟にも宿泊施設があり、その他プール、テニス場なども完備されています。
バルベ氏は、コアール先生とともにM.O.F.(フランス最優秀職人賞)の地方試験の試験監督を務められたこともある、この地域を代表するシェフの一人だと言えます。
バルベ氏の講習は非常に綺麗で、複数品を同時に行いながら、出来上がったパーツを一か所に集め、
仕上げ前には確認し、準備が整ってから盛り付けを行っていました。また、講習中何度も手を洗い、
調理台の上を拭くなど衛生面への気遣いが見て取れました。
コアール先生の講習や実習でも同様に、衛生面への注意事項は数多く話しています。学校で話していることが、実際のレストランでも行われていると感じる事ができたのではないかと思います。
☆今回披露いただいた料理2品
L'œuf en textures variées et fricassé de légumes de saison
卵と秋野菜にメインにした一皿です。
卵は卵黄と卵白に分けます。
卵黄はパン粉を付けて揚げ、卵白は平らに焼き、炒めた数種類のキノコを巻いてカネロニ仕立てにします。
卵白の周りに焼き色が付き、目玉焼きのような香りも連想させる仕上げになっています。
また、別で卵白を立ててメレンゲを作り、中心に卵黄を詰めて蒸した卵料理と共に、サツマイモ、大根、パースニップ(白い人参のようなもの)などの根菜類と盛り合わせ、生のリンゴを添えて清涼感を与えています。
卵というシンプルな材料を、加熱方法、食感、見た目を変えて表現し、さらにヴェジタリアンにも対応可能な一皿です。
バルベ氏と一緒に作業をする、助手を務める研究生。
L'omble en croûte de noisettes,Déclinaison du potimarron et légumes de saison
オンブル・シュバリエ(淡水魚の一種)を使い、ポティマロン(かぼちゃの一種)と季節の野菜を合わせた
一皿です。皮付きでポティマロンを使い、野菜の香りや旨味を逃さず調理します。薄く切って炒めてみたり、
短時間で火を通してピュレにしたりして変化を持たせます。また、他の根菜類も生と加熱したものを使い分け、同じ食材で様々な調理をして食感、見た目に変化を付けています。オンブル・シュバリエは皮側のみを焼き、
ノワゼット(ナッツの一種)を混ぜた生地をのせて表面をこんがりと焼きます。
ソースは、魚の骨から旨味を抽出し、セップの香りをつけて秋を表現しています。
シェフを囲んで、助手を務めた研究生の2人。