調理外来講習 M.Romuald FASSENET(ロミュアル・ファスネ氏)/ Château du Mont Joly (シャトー・デュ・モン・ジョリ)
今日の調理外来講習は、フランス東部ジュラ地方のSampans(サンパン)という町にあるシャトーレストランChâteau du Mont Joly (シャトー・デュ・モン・ジョリ)のシェフ、Romuald FASSENET(ロミュアル・ファスネ)氏です。
ファスネ氏はパリの「トゥール・ダルジャン」やアメリカ、ドイツなどレストランで勤務した後、2004年にM.O.F.(フランス最優秀職人賞)を受章され、2007年に現在のシャトーレストランを開店しました。土地の食材を用いた料理や、地域のイベントなどにも積極的に参加し、地元への貢献度が高く評価されています。冬季のみ営業するサボワ地方のレストランLes Explorateurs(レ・ゼクスプロラトゥール)への技術協力も行っています。
また2009年、2011年、2013年と、3度のボキューズ・ドール大会の日本代表のコーチ務められ、2013年大会では日本代表最高位の3位という快挙に大きく貢献しました。また、2019年の大会ではフランス代表のコーチを務められました。
そして今回は2023年大会に、フランス代表チームのコミ(アシスタント)として出場予定のミュラール氏、現在の研修生お二人を連れてお越しいただききました。
1品目
Fraicheur de Langoustines au fenouil, Marinées aux agrumes & gingembre
「ラングスティーヌの柑橘類と生姜風味のカルパッチョ」
生のラングスティーヌ(手長海老)を殻から外し薄切りにしたところに、みじん切りにしたエシャロット、生姜を軽く炒め、細かく切ったオレンジ、グレープフルーツ、ライム、とそれぞれのジュース、ホワイトバルサミコビネガーを加えたマリネ液をかけ、さらにラングスティーヌと香味野菜でとったコンソメを煮詰め、ゼラチンなどで濃度を付けたジュレを上からのせました。カラマンシービネガー(レモン風味の甘みが効いたビネガーのジェル、クレソンとエストランゴンのピュレが彩と風味を引き立てアクセントとなった1品です。
2品目
Rouget barbet au thym fleurs, Sauce corail ,Tempura de romarin, Pois mange-tout
「ルジェのレモンタイム風味、レバー風味のソースとローズマリーの天ぷら、さやえんどう添え」
ルジェ(ひめじ)が主材料の料理。
頭、内臓、中の骨を取り除き、サラマンドル(上火だけのオーブン)で火を通し、片側からの熱伝導により表面の皮が引き締り、身側は優しく火が通っていきます。
ソース:ルジェのあら、ラングスティーヌの殻、香味野菜、を炒め、ローズマリーの香りを抽出しながらとったベースをしっかりと煮詰め、最後にそのレバーとバターの合わせバターでモンテをします。
付け合わせ:オニオン・ヌーボー(小さい新玉ねぎ)、ムースロン(きのこの一種)、さやえんどうをそれぞれの水分で火を通しました。
この時期に多く見られる新野菜のフレッシュさとルジェの風味、濃厚な魚の味にローズマリーの香りがついた3点が調和された1品です。
一つ一つの作業を丁寧に説明され、時々話される日本語で研究生たちの心をグッとつかんでくださいます。
料理を作り終わり、研修生がお店の紹介をしようとすると、シェフが伝えてほしいことを横からアシスト。終始盛り上がりを見せた講習でした。
最後にアシスタントを務めた研究生と記念写真。
※研究生には写真撮影の際にマスクを外してもらいました。