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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Romuald FASSENET(ロミュアルド・ファスネ氏) / Château du Mont Joly (シャトー・デュ・モンジョリー)

フランス校教壇から

2024.07.01

 今回の外来講師は、フランシュ=コンテ地方のジュラ県にあるDole(ドール)近郊にある、ミシュランガイド1ツ星レストランChâteau du Mont Joly(シャトー・デュ・モン・ジョリー)からシェフのM.Romuald FASSENET(ロミュアルド・ファスネ)氏です。研修生も一緒に来校してくれました。

 シェフ経歴はホテル・マティニヨン、トゥール・ダルジャン(パリ)やアメリカ、ドイツなどでレストラン勤務を経験し、2004年にM.O.F(フランス国家最優秀職人章)を受章。2007年に現在のシャトーを購入し、ソムリエである奥様と一緒にホテルとレストランを経営しています。
 土地の食材をいかした料理、イベントなどにも積極的に参加しています。シェフの料理は食材自身が持っている魅力を最大限に生かしている料理が多く、見た目も美しく、繊細な味や香りを楽しむことが出来る料理を提供しています。
 また、国際的にも活躍されていて、2009年、2011年、2013年、2015年のボキューズ・ドール大会で日本代表のコーチを務められました。2013年大会では日本代表最高位3位という快挙に大きく貢献しました。2019年の大会ではフランス代表のコーチも務められました。

 今回の講習では魚料理と肉料理の2品を作成していただきました。

Aiguillette de Saint-Pierre en Vapeur, Artichauts en déclinaison et Fumet Sapin

 サン・ピエール(マトウダイ)をメインに季節の野菜と地元のジュラ県で作られているサパン(もみの木)のリキュールを使った1品です。
 まず、サン・ピエールを捌きます。鍋にフレッシュのサパンとリキュールのサパンを入れた上に捌いた身を乗せ、ラップで密封し温かい場所でゆっくりと常温まで温めます。

そのあとプラックの上でサパンの香りを含ませるよう蒸し煮でゆっくり火を通します。
 季節の野菜はアーティチョークとブロッコリーです。まず、アーティチョークで3種類の火通しをします。1つ目はノーマルサイズの可食部が多いアーティチョークとにんじん、玉ねぎと一緒に炒め、白ワインと水を加えて火を通し、ピューレにします。白ワインを加える理由として①酸味つける、②酸化による変色を防ぐといったことも話してくれ、とても説得力がありました。2つ目も同じアーティチョークで、スライスして油で揚げチップスにします。3つ目は小さいサイズのアーティチョークとにんじんと玉ねぎ、にんにくと一緒に白ワイン蒸しにします。
 次にブロッコリーで2種の飾りを作ります。1つ目は蕾の部分を削って生のまま飾ります。2つ目は塩ゆでをします。
 ソースは魚の出し汁にエシャロット、生姜、マッシュルーム、フレッシュのサパンを加え、味が凝縮するように煮詰め、ミキサーにかけ漉します。


 サパンのリキュールを加え、再度煮詰めて生クリームとバターを加えます。

 このようにシェフは食材の良さが色々な方法でいかせるように、様々な調理法で調理をしていました。
 シェフの考える食材へのリスペクトは研究生も多くの学びがあったように感じました。

 シェフの指示に従ってアシスタントをしている研究生と研修生の様子です。

Ris de Veau doré puis glacé, jus au Vinaigre de Framboise, Girolles et Blettes

 リ・ド・ヴォを使った1品です。リ・ド・ヴォとは子牛の胸腺肉のことをいい、ミルクを飲んでいる時期に必要な部位で、成長につれて失われる器官です。(成長とともに小さくなる希少部位です。)肉質は柔らかく濃厚でミルキーな味わいが特徴です。リ・ド・ヴォは表面の膜と筋を取ります。


 ラップに包んで軽く下ゆでし、取り出して水分をふき取ります。にんにくを入れた澄ましバターで表面を焼きます。
 ソースは、仔牛のソースをつやが出るぐらいまでしっかり煮詰めます。そこにフランボワーズ酢を入れます。リ・ド・ヴォにソースをかけて、オーブンで火を通しながら煮詰めて表面に照りをつけます。

 つけ合わせは紫の新玉ねぎ、黄色と赤色のふだん草、ジロール茸です。
 まず菜種油で新玉ねぎとふだん草を炒め、白ワインを加えます。
 仕上げ直前に太めのある千切りにしたふだん草の葉を加え色が飛ばないように仕上げます。
 次にジロール茸はオーブン入れて水分を抜きます。水分はうま味たっぷりなのでソースに加えます。ジロール茸はふだん草と合わせて味を調えます。

 シェフの講習は理論的で大切なポイントが研究生に伝わるように身振り手振り、白板に書くなど工夫して分かりやすく教えてくださいました。コンクールのコーチを務めたシェフの手際の良さに研究生も勉強になったように感じました。

 研修生もいつもお店で出しているメニューという事もあり、手際よく盛りつけも積極的に取り組んでいました。
 講習終了後にスタージュ中の研修生から研究生に向けてアドバイスをいただきました。研究生にとってこれからのスタージュについてのイメージが膨らんだ講習になったように感じました。


 最後に記念撮影を行いました!