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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Romuald FASSENET(ロミュアル・ファスネ氏)/Château du Mont Joly (シャトー デュ モン ジョリー)

フランス校教壇から

2018.11.17

今回の講習は、フランシュ=コンテ地方のホテルレストラン「シャトー デュ モン ジョリー」からシェフのロミュアル・ファスネ氏と研修生の市原輝瑠さんと山村咲貴さんにお越しいただきました。

パリのトゥール・ダルジャンやアメリカ、ドイツなどでレストラン勤務を経験し、2004年にM.O.F(フランス国家最優秀職人章)を受章。2007年に現在のシャトーを購入し、土地の食材を用いた料理、イベントなどにも積極的に参加し、地元の貢献度が高く評価されています。

店内は30席ほどの小さな店ですが、ガラス張りの客席からホテルのプール越しに広大なパノラマをのぞむことができます。特に初夏から夏にかけてテラスで食事をするなど心地よい時間を過ごす事ができるレストランです。

また、ファスネ氏は2009年、2011年、2013年のボキューズ・ドール大会で日本代表のコーチを務められ、2013年には日本代表最高位3位という快挙に大きく貢献しました。2019年の大会はフランス代表のコーチが決まっており、今年6月に行なわれたヨーロッパ大会でも活躍されていました。


今回の講習で使用するラングスティーヌの良さにとても喜んでいらしたシェフ。

まずは一品目


Omble chevalier, beurré de navets et jeunes pousses,Vinaigrette de pain d'épice
エシャロットと黄ワインを煮詰めてバターを加えた「合わせバター」をバットに塗り、オンブル・シュヴァリエ(鮭科の淡水魚)をオーブンでさっと火を通した後、皮をはぎ、中心までゆっくりと過熱してしっとりとした仕上がりにします。本来は、バットにバターを塗り、エシャロット、黄ワインを流しオーブンで火を通す昔ながらの調理法があります。しかしその方法ではエシャロットに完全に火が入らず、黄ワインもアルコール分が残ってしまうので、合わせバターを使う事によってそれらの問題を解消したオリジナルの調理法です。

付け合わせは、カブを牛乳の中でさっと火を通し、粗く刻んだヘーゼルナッツ、次にきのこを蒸し焼きにしたものを加え、最後にホウレン草を加えた4種の異なる食感を味わえるものです。

ソースには、バルサミコ酢とシェリー酒酢を煮詰め、へーゼルナッツオイル、オリーブオイル、グレープシードオイルを加え、仕上げに「パン・デピス」で使用する数種類の香辛料を加えたドレッシング。あらかじめ酢を煮詰める事で素材と良く絡み、しっかりと味わえるのだそうです。

次に二品目

Langoustines royales en carpaccio, marinées aux agrumes et gingembre, salade de pinces et pamplemousse
ラングスティーヌ(手長海老)の一皿。エシャロット、生姜、オレンジ、グレープフルーツ、ライムの皮のみじん切りに柑橘系のジュースを加え、煮詰めたマリナードをラングスティーヌの上下に塗り、上から香草、キャビアをのせました。生姜や柑橘系の風味がラングスティーヌの甘みを引き立てます。周りにはラングスティーヌの殻で取ったソースと、そのコライユをそれぞれマヨネーズと合わせたものをポイントに絞っています。

講習途中には、それぞれの素材に対する火の通し方のちがいや、一品目のソースの酸味に対する油の詳細な比率、そして各メニューに対する調理法をなぜ変えるのかを、独自の考え方を白板に詳しく書いて熱心に教えてくださいました。また今回のラングスティーヌの状態が良かったので頭の部分を使って、ソースの作り方もサプライズで紹介していただき、研究生たちも、熱心に各自ノートへ書き込んでいました。

シェフが研修生に指示を出した際の、コミュニケ―ションが取れた一枚。研修先にも慣れている様子で、シェフに気に入られている様子でした。

最後に今回のアシスタントを担当した現研究生、研修生、皆さんで記念撮影をしました。

写真左から長井亜茉寧さん、山村咲貴さん、シェフ、市原輝瑠さん、金本真治君、松村仁嗣君