調理外来講習 M. Gilles REINHARDT(ジル・レナルト氏)/Paul Bocuse(ポール・ボキューズ)
今回の外来講習は、リヨンの3つ星レストラン「ポール・ボキューズ」から、ジル・レナルト氏にお越しいただきました。レナルト氏は現在43歳、30歳の時にM.O.F.(フランス最優秀職人章)を受章し、それから毎年フランス校の講習に来てくださっています。
今回はお店で長年出されている名物料理、「『ポール・ボキューズ』に行ったら絶対食べたい」という2品をご披露いただきました。
『LOUP EN CROUTE, SAUCE CHORON』
スズキを丸ごと一尾パイで包んだ料理です。
お腹の中には魚の身と帆立貝で作った滑らかなムースを詰めています。
「ソース・ショロンSauce Choron」とは、ハーブとトマトが入った卵黄をふんわり掻き立てた、温かいマヨネーズのようなソースです。
さっくりと香ばしく焼けたパイ生地の中に、ふんわりと火が入ったスズキとムース、酸味の効いたソースの組み合わせはもう最高!
日本の学校でも一度は目にしたことのある料理ですが、パイ生地を整形し組み立てて行く速さには学生たちも釘づけになっていました。
『POULARDE DE BRESSE EN VESSIE, SAUCE FLEURETTE AUX MORILLES』
フランス、ブレス地方で飼育されている世界的に有名な鶏を一羽丸ごと使用した一品。
皮と身の間にはトリュフの薄切りが挟まれていて、鶏のだし汁の中でしっとり火を通した後、豚の膀胱に包んで提供される料理です。
この料理にはモリーユ茸(アミガサ茸)がたっぷりと入ったクリームソースが添えられます。
お店ではお客様の目の前でサーヴィスの方が切り分けてくださり、膨らんだヴェッシー(膀胱)を破くとトリュフの香りが客席に広がります。
時間が経つと膀胱が萎んでしまう為、学生たちは出来立てを撮影しています。
授業の終わりにレナルト氏が、「朝コーヒーを飲みながらポール・ボキューズ氏にレクレール校に授業に行く旨を伝えたところ、これからこの料理業界で頑張って欲しいと意味を込めて、直々に書いてくださったサイン入りメニューを預かっています」と1人に1冊ずつサプライズプレゼントしてくださいました。
講習の助手を務めたのは、フランス料理研究課程の藤田真也くん(左端)、新垣貴大くん(右から二番目)、浦上裕太くん(右端)でした。