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M.Arthur DEBRAY(アルチュール・ドゥブレ)氏 / L'écrin de Yohann CHAPUIS (レクラン・ドゥ・ヨアン・シャピュイ)

フランス校教壇から

2025.03.04

今回の外来講習はBourgogneブルゴーニュ地方の町Tournusトゥルニュにあるミシュランガイド1ツ星を獲得しているレストラン「L'ÉCRIN DE YOHANN CHAPUIS レクラン・ド・ヨアン・シャピュイ」のスー・シェフ(副料理長)、M.Arthur DEBRAY(アルチュール・ドゥブレ)氏に来校いただきました。

こちらのお店はM.Yohann CHAPUIS(ヨアン・シャピュイ)氏がシェフをされており、シェフはリヨンの「Pierre Orsiピエール・オルシ」、ヴィエンヌの「La Pyramideラ・ピラミッド」などを経て、2004年からは「Lameloiseラムロワーズ」でシェフ・ドゥ・キュイジーヌとして活躍されていました。ラムロワーズ在任中には、1度は失った3ツ目の星を取り戻し、その後、2008年から「Greuzeグルーズ」のシェフに就任後も1度格下げされたレストランに星を1つ取り戻しました。他にも2021年に行われたボキューズ・ドールのフランス代表チームのコーチに就任し、見事優勝に導きました。
今回は、スー・シェフのドゥブレ氏と、M.Corentin CHAPUIS(コランタン・シャピュイ)氏に講習をしていただきます。

SAINT-JACQUES, CHOU, YUZU
こちらは、帆立貝を使った温かい料理です。
帆立貝のムースに、キャベツのブレゼ、火を通したトランペット茸を混ぜ合わせたものを、シート状に伸ばしてオーブンで蒸し、円形にくり抜いたものと、塩ゆでしたキャベツ、帆立貝、オゼイユ(酸味のある葉菜)を層にして、外側をキャベツで包んで組み立てます。

ソースは、貝のひもを、水分を飛ばす様に炒め、エシャロット、白ワイン、鶏の出し汁でベースを作成し、生姜やシトロネル(レモングラス)、柚子の皮を加えて香りを付けます。仕上げに生クリームと柚子の果汁を加えて、爽やかな香りと酸味のある泡のソースに仕上がりました。表面に細かく切込みを入れ、香ばしくポワレした帆立貝、豚の背脂の塩漬けを薄くスライスしたもの、フライにした貝ひもを盛りつけ、アクセントとして、柚子のジュレを帆立の上に飾ります。

別の器には、柚子の果汁とバターで作成したサバイヨンが盛りつけられ、爽やかな柚子の酸味と、帆立貝のうま味がたっぶりと詰まった1品になりました。

BEIGNET DE POMMES DE TERRE,TRUFFE,SOUPE DE POMMES DE TERRE
続いては、じゃがいもとトリュフの料理です。
Beignet(ベニエ)とは、衣をつけて揚げたフランス料理で、衣にはメレンゲを加えることが特徴の、天ぷらのような料理を表します。ベニエの中身は、生クリームにじゃがいもの皮を乾燥させたものを加えて香りを付けながら煮詰めたものに、じゃがいも、コンテチーズ、トリュフの小さな角切りを混ぜ合わせて半球の型に入れて冷凍し、2個をつなぎ合わせて球体にします。これにベニエ生地をつけてフライにします。そして、ポルト酒やコニャック、トリュフで香りを付けた鶏のジュ、じゃがいもの滑らかなピューレをエスプーマにかけたソースと一緒に、フレッシュの黒トリュフを削って、シンプルな食材を使用しながらも贅沢な1品が完成しました。

研究生たちは、研修先にもなっているレストランのスー・シェフの作業スピードや正確さに圧倒されながらも、来月から始まる自身の研修に期待を膨らませていました。

最後に調理の研究生と記念撮影を行いました。