調理外来講習M. Christian NEE(クリスチャン・ネー氏)/LA PYRAMIDE(ラ・ピラミッド)
こちらフランス校では冬のバカンスまで残り1週間となりました。
今回のエスコフィエ校調理外来講習はリヨンから南に約30kmに位置する、イゼール県ヴィエンヌの2ツ星レストラン、LA PYRAMIDE(ラ・ピラミッド)より、Christian NÉE(クリスチャン・ネー)氏に来校していただき、料理を披露していただきました。
ラ・ピラミッドは歴史あるレストランで、1925年より、初代オーナーシェフのFernand POINT(フェルナン・ポワン)氏が父親より受け継いだ店を改名し1933年より1955年に亡くなるまで3ツ星を維持し続けました。その後もマダム・ポワンが後を継ぎ3ツ星を維持し続けました。その間、名だたる料理人(ポール・ボキューズ氏、トロワグロ兄弟、アラン・シャペル氏など)を輩出しています。
辻調グループの創設者辻静雄もここで多くのフランス料理、フランス文化を学んだそうですので、我々にとっても縁のあるレストランと言えます。
<今回披露していただいた料理2品>
Tartare de daurade, moelleux à la moutarde à la violette
鯛の上身の皮を取り除き小さい角切りにし、マッシュルームの角切り、ディル、ピンクペッパー、ライムの果肉と皮、オリーブ油を加えタルタルに仕立て、小さいセルクルを使い盛り付けます。その上にサラダと数種の蕪をスライスしくり抜いたものをのせ、白と紫のマスタードを加えたクリームをエスプーマにして添えました。味のアクセントとしてローストしたパンの粉末で作ったヌガティーヌ(本来はアーモンドと砂糖などを使って作る、シート状の飴のようなもの)を飾っています。色んな食感、色んな味が楽しめる一皿でした。
Noix de coquilles St-Jacques, Endive au beurre de citron, Mousseux au pain d'épices
アンディーヴをレモン汁入りの湯で塩ゆでし、ラップに包み丸く整形し輪切りにし、皿に盛り付けます。その上に帆立貝の貝柱を、レモンバター(バターとレモン汁を混ぜ合わせたもの)で、火を通したものをのせ、レモンコンフィ(シロップで火を通したもの)の入ったドレッシングであえたハーブのサラダとエディブル・フラワー(食用花)をその上にのせます。その周りにパン・デピス(スパイスがたくさん入ったはちみつ入りのパン)風味のクリームのエスプーマを絞りました。レモンの酸味、アンディーヴの苦み、帆立貝やパン・デピスの甘みのバランスがとれた料理に仕上がっていました。
学生達にとって食材の組み合わせ方、食感の違う物の組み合わせなど、卒業前にあるムニュ・スペシャルの参考になったようです。学生からは「どんな点に気をつけてメニューを考えたらいいですか?」との質問が出て、ネー氏より「季節の食材を使うことも大事だね」とアドバイスしていただきました。
アシスタントをしてくれた藤吉 一輝君(左)と大山 隼渡君(右)
今回大山君と藤吉君は、シェフにフランス語で話しかけ、積極的にアシストしていました。