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辻調グループ フランス校

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調理外来講習M.Romuald FASSENET(ロミュアルド・ファスネ氏) / Château du Mont Joly/ (シャトー デュ モン ジョリー)

フランス校教壇から

2022.12.15


今回の講習は、フランシュ=コンテ地方のホテルレストラン「シャトー デュ モン ジョリー」からシェフのロミュアル・ファスネ氏お越しいただきました。

シェフはパリのトゥール・ダルジャンやアメリカ、ドイツなどでレストラン勤務を経験し、2004年にM.O.F(フランス国家最優秀職人章)を受章。2007年に現在のシャトーを購入し、ソムリエである奥様と一緒に経営しています。土地の食材を用いた料理、イベントなどにも積極的に参加し、地元の貢献度が高く評価されています。シェフの料理は食材自身が持っている魅力を最大限に生かしている料理が多く、見た目も美しく、繊細な味や香りを楽しむことが出来る料理を提供しています。 また、国際的にも活躍されていて、2009年、2011年、2013年、2015年のボキューズ・ドール大会で日本代表のコーチを務められました。2013年大会では日本代表最高位3位という快挙に大きく貢献しました。2019年の大会はフランス代表のコーチも務められました。

今日は同店でスタージュ中の研修生と一緒に、マトウダイを使った料理と今が旬のホタテを使った料理の2品を作っていただきました。 シェフは研修生とよくコミュニケーションを取って作業をし、研修生は研究生に教えながら作業をしていて成長が伺えました。

まず1品目は、


Aiguillette de Saint-Pierre cuit aux vapeurs de Fenouil,
Châtaignes, Chou et Lard Paysan, Beurre Blanc à l'Absinthe

まずマトウダイのaiguillette(エギュイエット)とはひも状に切ったという意味で縦長のフィレの状態に下処理をしています。魚の調理法は蒸し焼きです。そのためまず、マトウダイの骨や皮、香味野菜を使用し出汁を取ります。その出汁に乾燥させたういきょうの枝を入れ、その液体の蒸気で魚に火入れをします。ソースはエシャロットと地元のジュラ地方のアブサン酒(薬草のリキュール)を加え煮詰めます。そこに魚の出汁を加えバターで乳化させます。 け合わせはちりめんキャベツと栗、エシャロットのコンフィ、ベーコンの燻製を使っています。 シェフはジェスチャーを交えながらわかりやすく研究生に料理について詳しく話してくれていました。


研究生もシェフのフランス語をよく聞いて一緒に作業をしていました。


続いて2品目は


Carpaccio de Noix de Saint Jacques
En Vinaigrette de Légumes Marinés et Gingembre Frais

旬のホタテをカルパッチョにした料理です まずマリネ用の液体を作ります。鍋に生姜、にんじん、根セロリを均一に角切りし、オリーブ油で炒めます。そこにバルサミコ酢を加えてさらに煮詰めます。野菜が柔らかくなり液体も煮詰まればディルを加えます。 お皿にホタテのスライスを並べマリネ液をまとわせ仕上げにクルトンを添えます。

2品ともに地元の素材を活かしていてとても勉強になりました。 また研究生たちもコンクールのコーチをするシェフの手際を見て真剣に授業を受けていました。

最後に今回アシスタントを担当した研究生、研修生とシェフで記念撮影をしました。