石綿優月さん:レクレール校調理 2023年春コース
「フランス人しかいない職場で働いてみたい」
フランス校入学を決心した一番の決め手は現地でのスタージュ(研修)があることでした。フランス人の料理に対する熱い考え方や、調理技術を目の前で見て学べるという内容が魅力的です。フランス人しかいない本場で働けるこの機会にフランス語でコミュニケーションを取ったり、日本にはない調理器具や食材を知りたいと思いました。
「次に何をするかを常に考える」
フランス校の授業では、次の工程をイメージしながら動くことの大切さに気付きました。実習班(調理班)は決まった時間にサーヴィス班と調理班に賄いを出し、その後先生方とクリヨンにレストラン料理を出します。したがって何時までに何を終わらせるのか事前に工程表を書き、計画的に働くことが何より重要になります。また、出す料理の数を見て仕込み数を調整する必要もあります。できあがった料理の提供に向けて細かく計算した上で、次に何をするか常に考えながら動くことでミスを防げるようになりました。
「料理に対するフランス人の考え方をフランス人から教わる」
ここではフランス人から料理に対する考え方を直接教わることができます。調理の実習班は、前菜、魚、肉、賄いの四つのエキップ(チーム)に分かれ、1つのグループは1~2人で構成されており、その各班に先生が一人ずつ付きます。フランス人のシェフから直接肉や魚の下処理、火入れまでプロの調理技術を目の前で教わることができるのでとても勉強になります。質問をしながらなぜそのように調理するのか、1つ1つ目的を確認することで、よりフランス料理に対する知識を得ることができ、理解も深まります。
調理のフランス人先生 コアール先生と一緒に
「フランス人の積極的なコミュニケーションに感動」
こちらに来てフランス人の「挨拶」に驚きました。フランスに来て間もない頃、散歩道ですれ違った人に笑顔でBonjourと当たり前のように声をかけられて驚いたことを覚えています。特に私が感動したのはレストランやマルシェの店員のお客さんとのやり取りです。どの店でも挨拶だけでなく、会計時にはお互いありがとう、よい一日を、と声をかけます。お店の人が楽しそうに働いていて、積極的にコミュニケーションを取ってくれるところはとても印象的です。
ボジョレワイン醸造所「シカレックス社」での試飲
「寮では自由な時間を過ごしています」
寮では実習中の関りが少ない製菓の学生と交流することができます。料理やお菓子の話はもちろん、その日の出来事や失敗談などを夜に語り合うのも楽しい時間です。楽しむときは楽しみ、オフの日はみんなで昼まで寝たりと、自由に自分の時間を過ごせる空間です。
フランス校到着直後のバーベキューパーティー
「外出でフランス語の理解力も上がります」
休みの日は出かけることが多いです。5月の連休を利用したりして、パリやディジョンに行きました。初めての外出は地下鉄や新幹線、ホテルなど全て新しいことばかりで戸惑うこともありましたが、少しずつフランス語が分かるようになり、質問をしたり買い物をしたりでフランス人とコミュニケーションを取る楽しみが増えていきました。ディジョンではマイユでマスタードを買い、パリではピエール・エルメやジョエル・ロブションに行きました。このような有名な店の本店巡りも休日の楽しみの一つです。ビストロで地方料理屋本場の料理を食べるのも旅行先ならではの楽しみです。
お菓子の食べ歩きも大好きです!
パリ凱旋門をバックに
「フランスと日本とのいろいろな違いが面白い」
こちらに来てフランスの夏の時期の日の長さに驚きました。21時近くまで明るいので、夕飯を食べている時にこれは昼食なのではないか、という錯覚に陥ることもあります。旅行先でもエッフェル塔の夜景を見ようとしましたが、5月の日の入りが21時04分と出て驚きました。7月は5時49分に日の出、21時57分に日の入りなので、特に日照時間が長くなります。レストランでの夜の予約が20時や21時からが多いことも日本では考えにくいと思います。フランスでは交通機関のトラブルが割と頻繁にあります。予約していた電車が突然デモで運休することがあり、その時は急遽タクシーや違う電車で移動しました。一方で自分がバスを降り忘れてしまった時は、最初に購入したチケットを見せたところ、逆方向のバスの運転手が笑いながら無料で乗せてくれたりと、自由で優しいフランス人らしさを知ることができました。
卒業生のタサン志麻さんが遊びに見えた際一緒に写真を撮っていただきました!
「研修をしたくてフランス校に来ました!」
本場でフランス人から料理を教わりたいという強い思いを持って留学を決めたので、研修は私が特に楽しみにしていることです。在校中は周りに日本から来た仲間がたくさんいますし頼れる先生方もいますが、現場に入ればそうはいきません。自分で分からないことを質問し、積極的にやる気を示さなければいけないと思います。学校にいる間に基礎知識やフランス語の勉強を怠らず、研修中は短い5か月間でより多くの技術をフランス人から吸収したいです。
「フランス校に進学を考えている皆さんへ」
「留学」や「研修」というワードで不安を覚える人もいると思います。ですが、料理やお菓子が好きな人にとって本場でフランスの文化や食材、フランス人に触れることができるということは絶対に楽しいはずです。異国での勉強は大変なことももちろんありますが、成長できるチャンスだと思って前向きに考えてほしいです。ぜひ、フランスで料理を学び、充実した10か月を送っていただければと思います。
調理フランス人先生ナレ先生と一緒に
石綿優月(ISHIWATA Yuzuki)
東京都立立川高校 卒業
辻調グループ出身校 エコール辻東京 フランスイタリア料理マスターカレッジ