旬の食材を使用する~製菓技術マネジメント学科1年生・理論編~
皆さん、こんにちは
今回は、製菓技術マネジメント学科1年生の理論の様子をお届けします。
製菓学校の理論ではお菓子の作り方だけではなく、食材のことについても勉強しています。
今回の理論はこれ
この大きい塊、何かわかりますか
これはつくね芋(大和芋)といって山芋のひとつなんです。
このつくね芋はちょうど10月からが栽培のシーズンで、まさに「旬」の食材なんです
一般に山芋(やまいも)と呼ばれるものには、大きく分けてヤマノイモ・ジネンジョ・ダイジョの3つに分けられます。また、ヤマノイモはスーパーで売っているような長いナガイモ群、関東で大和芋として売っているイチョウイモ群、写真のような塊のヤマノイモ群に分けられます。このヤマノイモは主に関西で主流に使われています。
辻製菓専門学校は関西(大阪)に学校がありますので、写真のような大和芋を使ってお菓子にしているんです。
地域によって同じお菓子に使われる食材が違うなんて!興味深いですね......
今回作成した製品がこちら
こちらは、薯蕷きんとん
大和芋を蒸して、漉したところに上白糖を入れ滑らかな口当たりにします。
それを様々な色に着色して、きんとんぶるいという通しでそぼろを落とし、粒餡につけていきます。
左下から、時計回りに「桜山」「紫陽花」「紅葉」「雪ウサギ」です
お次はこちら
薯蕷饅頭
これは、すりおろした生の芋に上白糖を入れ合わせたら、上用粉を入れふんわり合わせていきます。
出来上がった生地で小豆漉し餡を包餡し、様々な形に仕上げます。
ちょっと写真が遠いので近寄ってみると......
こんなところにもうさぎちゃんが
同じテーマでも、作る素材が違うだけでこんなに雰囲気が変わるんですね
色は生地に着色して上から筆で塗っています。
うさちゃんの耳や、つくしの絵は焼き印で焼き目をつけているんです。
こんな焼き印もあるんですよ......笑
オーダーメイドの「tsuji」の焼き印です
他にもこんなお菓子も
これは「かるかん」といって、鹿児島の銘菓なんです
すりおろした大和芋に上白糖をいれてふんわりするまで混ぜたところにかるかん粉という米の粉を入れて作ります。鹿児島ではこの生地の中に漉し餡を入れて作るのですが、辻製菓専門学校ではかるかん生地とピンク色の栗蒸羊羹と貼り合わせて作成しています。
そしてこれ
果物え松茸
実はこれ、薯蕷饅頭で出来ているのです。
蒸しあがった薯蕷饅頭に、卵を使って着色しています。本物みたいですよね
触った質感も卵でつやつやしているので本物みたいなんですよ
「柿」も「みかん」も「松茸」もちょうどこれからが「旬」です。
旬の食材を知り、それらを使いレシピを考える。
これはお菓子だけでなく飲食業界では必要な知識です。
もっともっと勉強して、美味しいお菓子を作れるようになりましょうね