夢への第一歩!製菓学校の初めての実習って?
今年も4月12日から辻製菓専門学校の授業が始まりました。
初めての実習では白衣の着方や実習室の使い方の説明があります。
先生の言うことを聞き漏らさないように、メモを取りながら、皆さんちょっと緊張気味でした。
それでは、洋菓子、和菓子、パン、それぞれの実習室でどんなことから始まっているか、見てみましょう。
パンの実習は、「手捏ね(てごね)」からです。
普段はミキサーで捏ねますが、初めての実習では、パン生地の状態を感じるために、少ない分量を手で捏ねていきます。
小麦粉に水分を加えるとグルテンが形成されてつながる、ということを実感する作業です。
ひとつにまとまってきたら、台にたたきつけて練ります。
油脂を練り込んでさらに捏ねて、グルテンの状態を確認したら
ボウルに移してホイロ(温度と湿度を調整できる発酵器)で発酵させます。
発酵の状態を手で触って確認したら、台に取り出して「分割」です。
ふわふわでやわらかい生地の扱い方や、さお計りの使い方も練習します。
パンの大切な作業「丸め」です。
適度に空気を抜いて、表面がピンと張った状態に丸めます。
初めての実習は、実はここまでで時間いっぱいです。
これは2回目の実習で、同じ工程を経て丸く成形し、2次発酵ののち卵を塗って焼きあげたテーブルロールです。
「丸め」がうまくできていないとパンのボリュームが出ないです。
和菓子の実習室をのぞいてみたら、桜もちの生地が蒸しあがっていました。
道明寺粉にピンクに色付けたぬるま湯を加えて蒸します。
強い蒸気があがっているので、やけどしないように、蒸籠(せいろ)の持ち方から勉強です。
蒸しあがった生地に砂糖を混ぜて1個分ずつに分割し、同じく分けて丸めた餡を包んでいきます。
この作業を「包餡(ほうあん)」といい、和菓子ではとても大切な技術です。
包んだものをよく見ると、餡が片寄ってたり、形がそろっていなかったり。これからもたくさん練習していきます。
包めたら、塩漬けにした桜の葉を巻いて、もう一度蒸します。
桜もちの良い香りが実習室に広がりました。
この桜の葉の香りは「クマリン」という成分なんです。
和菓子は季節に沿ったお菓子を作ります。
初回の実習ですぐに桜もちを作るのは、桜の季節にぎりぎり間に合わせるためです。
洋菓子の実習では、個人の器具セットを使います。
まずは自分のセットを広げて、道具の呼び方を覚え、不備がないか確認します。
絞り出し袋やいろんな形の口金、ナッペベラ(パレットナイフ)など、みんな同じものを持つので、ひとつひとつに名前を書きます。
さっそくピンク色の練習用バタークリームを使って、絞り出しの練習です。
丸い口金で、シュークリームの生地の形に何度も絞ってみました。
絞り出し袋の持ち方、姿勢、力の入れ具合、なかなか同じ形、同じ大きさに絞るのは難しいものです。
2回目の実習では計量の練習をして、丸めるだけのクッキーを作り、また絞り出しの練習をしました。
そして3回目の実習では、基本生地のひとつ「パータ・ビスキュイ(別立てのスポンジ生地)」を作り、棒状に絞って焼きました。
絞った生地に粉砂糖をふって焼くと、表面にペルル(真珠)と呼ばれる粒ができます。
シロップ状になった砂糖がオーブンの中で沸いて泡になり、それが熱で乾燥して粒になるのです。
これを真珠に例えるのがフランスのセンスでしょうか。
絞り出しの形はまだまだそろっていませんが、袋に詰めるとそれなりに製品になりました。
これから実習の内容はだんだん複雑になっていきます。初心を忘れず、頑張ってください。
~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
堀田朗子(ほったあきこ)
洋菓子を教えて40年!
フランス校に進学する学生に
フランス語の授業もしています。
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2024年4月、
2024年4月の製菓学科をご希望の方は、
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