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辻製菓専門学校

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統合しました。

砂糖の不思議 製菓理論で学ぶ「再結晶化」について

製菓技術マネジメント学科
製菓衛生師本科

2023.11.07

後期授業が始まり一年生の授業もより複雑な内容になってきています。

お菓子は卵、砂糖、小麦粉などの原材料を使って生地やクリームを作り、
それが組み合わさっていろいろな製品になります。
良い生地や美味しいクリームを作るには原材料の性質を理解することが大事なポイント。

今回は製菓理論の授業の一コマ、お菓子作りに無くてはならない材料
「砂糖」の性質の一つ「再結晶化」について考えていきます。

砂糖は同じ分量の水でも温度によって溶ける量が大きく違い、
20℃の水100gには203.9g溶けますが温度を上げて100℃の湯にすると、
同じ100gでもなんと2倍以上の487.2gも溶けることができます。
逆に100℃のお湯で作ったシロップを冷ましていくと溶け切れなくなった砂糖が出てきます。
このように溶けることのできる砂糖量の差を利用して作った副材料に
フランス菓子では「フォンダン」和菓子では「すり蜜」があります。

フォンダンを作っている様子を覗いてみましょう。

まず砂糖と水を鍋で117℃まで加熱します。

温度が上がったら大理石の上に薄く流し少し冷まします。

分かりにくいですがこの時は砂糖が完全に溶けていて透明な状態ですね。

これを木杓子で攪拌(かくはん)すると...

少し白っぽくなってきているのがわかるでしょうか?
これは温度が下がってシロップの中に溶け切れなくなった砂糖が結晶に戻ってきているのです。

更に混ぜ続けていると透明感がなくなりシロップ全体が真っ白になり硬くなってきました。

砂糖が結晶に戻ることで煮詰めたシロップが白く固くなってくるのです。

このように一度煮詰めたシロップを攪拌しながら急激に冷ますと砂糖が再び細かい結晶に戻ります。

これを顕微鏡で見てみると...

250倍の顕微鏡で撮影

結晶がとても細かいのが分かりますか?(少し見えづらくてすみません!)

比較のために私たちが普段使っている目の細かいグラニュー糖と比べてみましょう。

250倍の顕微鏡で撮影

同じ倍率で見てもこれくらい違います。
比べると細かいのが分かりますね

同じようにシロップを作ってもゆっくり時間をかけて冷ますと大きな結晶ができます。

一か月たつとこんな感じになります。

結晶が大きくなっているのが分かりますか?

一粒一粒大きく育てると

こんな感じ。
そう、これは「氷砂糖」。

砂糖の結晶ってこんな形をしているのですね。
冷ますスピードや攪拌の有無によってここまで大きさの違う結晶が出来てしまう...奥が深い‼

また、砂糖は加熱すると「カラメル」という物質に変化します。

煮詰め温度とカラメルへの変化がグラデーションになっているのが分かりますか?
これも砂糖特有の変化です。
色と共に味も変化するので作成するお菓子に合わせて煮詰め具合を調節します。

このような材料の性質を理解することが美味しいお菓子を作ることに生かされていくのです。
製菓理論で材料のことをしっかり勉強し、実習で体験することを通じ、お菓子を理解していくのですね。

~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
淺野 義明   

奈良県出身
フランス校赴任時は日本ではあまり知られていない伝統的で素朴な地方菓子を探しては食べ歩いていました。

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