第17回製菓衛生師養成施設技術コンクール全国大会 [洋菓子]1位7位 [和菓子]2位3位受賞
2025年2月8日(土)・9日(日)の2日間にて開催された一般社団法人全国製菓衛生師養成施設協会主催「第17回製菓衛生師養成施設技術コンクール全国大会」にて辻調理師専門学校の学生が優秀な成績をおさめましたので、ご報告します。
●洋菓子部門●
《厚生労働大臣賞(総合1位)》樋田 寧々[トイダ ネネ]さん(製菓技術マネジメント学科2年生)
《株式会社Gakken賞(総合7位)》岸川 心咲[キシカワ ミサキ]さん(製菓衛生師本科1年生)
●和菓子部門●
《協会会長賞(総合2位)》川淵 菜々実[カワブチ ナナミ]さん ※自由課題1位(製菓技術マネジメント学科2年生)
《関係団体長賞(総合3位)》KIM SUJEONG[キム スジョン]さん(製菓技術マネジメント学科2年生)
●洋菓子部門●
●樋田 寧々さん 受賞作品とコメント
作品名 Legato~レガート~
音楽用語の「レガート」のように滑らかに音が繋がっていくような...
味や食感、くちどけがなめらかに調和するように構成しました。
軽やかなショコラムースをベースに様々なパーツが重なり溶けていくように仕上げ、落花生で心地よいアクセントをつけました。
曲線を多くデザインに取り入れ、視覚的にも美しい流れを意識した作品です。
樋田さんのコメント
コンクールには、人一倍負けず嫌いな性格と、2年生になって自分の実力やどこまで自分が努力できるのか?を試したい気持ちでチャレンジしました。技術面では「レガート」と名をつけた通り、コーヒー、キャラメル、とおいしさが代わる代わるやってくる味の重なりをテーマにしていましたが、食感や味のバランスが難しく食べる度に味が変わってしまったりしていました。やってみると技術も知識も足りないと感じられ、はじめの頃は自分だけで全て解決しなきゃと気持ちがあせってしまうこともありましたが、先生や友人に助言をもらったりと精神面でも支えてもらい、集中を高めることができました。周りに頼れることができるようになったのも、私にとってはこのコンクールの大きな成果でした。何度でも挑戦して、改善して、前よりもきれいなものを仕上げられたときは本当にうれしくて。コンクール本番は緊張以上にワクワクが止まりませんでした。他校から参加されている選手の方も含め、同じ目標を持って集まって一緒にコンクールに挑んでいる皆での一体感もあり、現場の雰囲気もとてもよかったんです。やりとげて結果を残すことができた今は振り返ると、頑固で譲れないところが沢山ある私を見捨てず励ましてくれた先生方には、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!
●岸川 心咲さん 受賞作品とコメント
作品名 RIVIERA~リビエラ~
花が美しく連なり、鮮やかな自然が広がる「リビエラ」でのリラックスした夏のバカンスの雰囲気を表現しました。程よいコク味で口溶けの良い軽い食感のデザートのスフレを、アントルメにアレンジし、隠し味のバジルがクレームシトロンの爽やかな風味を引き立てています。
デザート感覚で程よくコク味を残しながらさっぱりと食べられる爽やかな作品です。
岸川さんのコメント
1年しかない学校生活をとにかく有意義に過ごしたいと考え、コンクールに挑戦することを決めました。このコンクールでは味覚も審査対象となるので、おいしさにこだわり、口溶けがポイントになるスフレ・フロマージュ・ミキュイとシュトロイゼルを使って味のバランスをとることを目指しました。大きな課題だったのは作業時間。どう時間を縮めるか?考えながら試作を重ねました。何回も頭の中でシミュレーションして、通し練習。うまくいかなければすぐに反省点を全部リストアップして、思いつく限りの対策をしてもう一度。続けていくうちに自分の集中が切れるポイントがわかってきて、そこに照準を合わせることにしました。結果、本番では時間内で仕上げることができ、達成感で胸がいっぱいでした。7位という結果はすごく悔しかったですが、先生には頑張りを認めてもらえる声をかけてもらえ、応援してくれた友人も来てくれていて...先輩が優勝したこともうれしくて仕方なかったし、他校の選手の作品も勉強になることばかりで、本当にやってよかったです。長い間、集中して取組むことができる環境を整えてくれた先生方には感謝しかありません。ありがとうございました!
●和菓子部門●
川淵 菜々実さん 受賞作品とコメント
作品名 菜種の春
一面が黄色で覆われた菜の花畑にとまる蝶を表しています。
花言葉と黄蝶の意味から「健康で幸せでありますように」と思いが込められています。
川淵さんのコメント
和菓子を選んだのは、季節感をこの小さなお菓子の中に映し出す繊細な表現方法に惹かれたからです。自由課題の「菜種の春」は、まずは自分の名前にある菜の文字から着想し、菜の花畑が広がる様子を表現しています。浮島、かるかん、蜜柑の羊羹で構成されるお菓子なのですが、それぞれの風味を最大限に引き出しつつ、全体の味の一体感が感じられるよう、食感のバランスとまとまりも大切にしました。練習中は、小豆の位置、カット、規定の重さに仕上げることなど...課題が山盛りでした。先生はずっと側で見守ってくださいましたが、コンクール本番が近づくにつれ緊張感が高まり、精神面でも支えてもらったと強く感じます。誰よりも練習した、この気持ちは負けないと思っていたので、どうなっても後悔はしない!と決めていました。実は学生時代運動部に所属していたのですが、1年、2年、3年と積み上げていくうち、最後の年に少しだらけてしまう経験をしました。今回は同じような後悔は絶対しない、という思いがあったのですが、最後まで一生懸命やり遂げることができたことは自信につながっています。私自身、過去のコンクールの作品や作業風景を調べていた時に、私がこの中で戦えるのか不安になりましたが、やらずに後悔だけはしたくない!と思って挑戦することができました。今後コンクールへの挑戦を考える方には、自分なんかとは考えず、チャレンジすることを勧めたいです。あと次こそは!和菓子部門での1位を辻調でとってください!
KIM SUJEONGさん 受賞作品とコメント
作品名 花見宴
春が来て緑に染まっていく野、風で舞い散る花びら、水面に流れて行く花びらを見ながらお酒を楽しむ状況を表現しました。
KIMさんのコメント
コンクールは、授業以外にもお菓子を勉強する機会になること、他の挑戦者の方のお菓子を見ることもできることが魅力的だと感じ、これから新しいお菓子を自分で考えるときにも役に立つと考えて挑戦することを決めました。お菓子は桜を見ながらお酒を飲む春の景色を想像し、味の面では、日本酒の風味をきかせて味にポイントをつけました。コンクールを通じて、和菓子の種類がこれほどあることや、材料の使い方や注意すべきことなど、それまで知らなかったことを知ることができ、勉強になることが多かったです。村雨生地の食感は、理想の形に仕上げるまで最後まで苦労した部分だったのですが、経験豊富な先生方にもアドバイスをいただき、本番では一番いい状態で仕上げることができました。本番では2種類の羊羹を接着するために用意していたバーナーが壊れてしまうハプニングなどもあり悔しい思いもしましたが、何とか乗り越えることができ、最後まであきらめずに取り組むことができてよかったです。先生方の応援と教えのおかげでここまでくることができました。韓国に帰ってからも、学んだことを活かし沢山の方に喜んでもらえるように頑張りたいです。ありがとうございました!