常盤幼稚園PTA向け 日本料理セミナー開催
2024年10月24日(木)、辻調理師専門学校にて、大阪市立常盤幼稚園のPTAの皆さまを対象に、日本料理の体験型セミナーを開催いたしました。常盤幼稚園は辻調から徒歩5分に位置する、いわゆる「ご近所さん」の幼稚園です。同校の成人教育委員会は、子どものため・幼稚園のためになる学びの機会を定期的に設けて活動されています。この度は食について改めて考え・体験し、日々の暮らしや教育に役立てたいとのご意向を頂戴し、本校としても、積極的にご協力をさせていただきました。
セミナーを担当したのは、日本料理の岡本健二先生です。
助手は、乾鈴果先生がつとめました。
20名ほどがご参加されました。
プログラムは①味覚チェック、②一番だしの体験、③味つけの体験、④かきたま汁を作る、⑤ほうれん草胡麻和えを作るという構成です。
どうして味覚チェックからスタートするのでしょう?
その疑問の答えに繋げるべく、まずは日本料理における味の考え方を説明しました。話を受けて参加者の前に出てきたのは、番号が振られた少し怪しげな容器。中身は、岡本先生が事前に調合しておいた最も原始的な5味を組み合わせた液体です。試飲して味を当てるミニテストを実施。自らの味覚を知る機会となりました。
育ちが違えばそれぞれ慣れた味があって、驚くほど振り幅があるという岡本先生の実体験に基づく話には、みなさん大変納得された様子でした。料理が複雑になるほど、バランスを取るのが難しい。でも最初に立ち返ることができれば、きっと料理が楽しくなってくる。スライドの解説を進めながら、「自分の味覚を知ることができれば、料理がもっと深くなる」という今回のセミナーのテーマが、感覚的にも理解しやすかったのではないでしょうか。
日本料理におけるだし汁の位置づけを説明したあとは、場所を移して、実習室での調理体験へ。
実際に昆布と鰹節から引いてみる体験は、家庭ではなかなかできないでしょう。
今回は、料理屋と同じ一番だしの材料を用意し、皆さんに一から引いていただきました。
昆布を軽くところからスタート。今回は一人1台コンロを使って、全て自分で仕上げます。
昆布だしを引いている間に、鰹節の解説をしつつ、削りたての鰹節をちょっぴり味見。
鰹節を加えてからも特に気が抜けないのが、一番だしです。岡本先生が実際に手順とポイントを見せて、それに倣って挑戦していただきました。やってみると、見る以上に重たくて、結構むずかしいとの声が。漉せたところから一面にふくよかな香りが広がり、これだけで幸せな気持ちになりますね。
吸い笠でだし汁を味見。じんわりと染み入るようなうまみを感じて、何杯も味見をされていました。人が引いただし汁を飲んでみると、ちょっとした違いにも気づけて感動した様子。だし汁でお腹がいっぱいになってしまわないか、実は岡本先生はこっそり心配していました笑
ここからは一気に仕上げていきます。
玉子が花のようにひらひら舞うかきたま汁と、煎りたて擂りたての胡麻を使って、だし汁の味がしっかりときいたほうれん草の胡麻和えを作りました。
胡麻和えは、ほうれん草のえぐみがまったくなく、野菜嫌いが多い子どもの親としてはポイントが気になるところです。セミナーの合間に、岡本先生に熱心に質問されていました。
最後は、ご自身で作ったものを召し上がっていただきました。お昼ご飯としては少し物足りないでしょうから、簡単に作れる鯛ご飯を合わせてご提供しました。
セミナーで作った料理については、レシピをお渡しさせていただきましたので、後日各ご家庭で同じ料理がお目見えする日があるかもしれませんね。今回の体験が、食についてご家族で話し合うきっかけになってくれると嬉しいです。
最後はみなさんで記念撮影を。
常盤幼稚園PTAのみなさま、ありがとうございました。