地域活性に協力!「第5回地元食材を使った料理セミナーin菊池」を開催!
昨年4回にわたって開催した熊本県観光連盟主催の「地元食材による料理セミナー」 に、
引き続き今年も辻調グループは、旅行新聞新社とともに、企画・協力しました。
熊本県内の各エリアで、それぞれの地元食材を生かした料理を先生方が紹介するこのセミナーは業界紙「旬刊 旅行新聞」にも連載。参加者は、旅館・ホテルの女将や料理長、高校生などを対象に、考案レシピの実演はもちろん、味見もしてもらい、普段と目線を変えて、地元食材の活用方法を学ぶことで、宿の料理メニューの参考にしてもらい、もてなしの向上や若い世代に料理への興味を持ってもらうことを目指しています。
第5回目の今回は、県北の菊池エリアを対象に、2月5日、菊池温泉の「菊池 笹乃家」にて、
「ごはんに合う料理」をテーマに、ブランド牛の「えこめ牛」や干椎茸の「黒香」などを使った料理を披露。
担当は、西洋料理の木下幸治先生です。
地域の特産である「えこめ牛」について、「乳牛・ホルスタインの脂身の少ない赤身肉であり、最近の若い人には赤身肉の方が人気があること」など食材の詳しい説明や、調理方法についても解説しました。
肉を焼く際によく使用するバター。たんぱく質を含み焦げやすいバターを使う際は、最初は牛脂を使った方がよいことや、また焼くと茶色くなっていく「褐変反応」といったフランス料理によくみられるコクを出すための調理方法について、肉を焼くことを例に、実演しながらその必要性や論拠を説明。また料理人が、経験はもちろん理論も学ぶことの大切さについてお話ししました。
たとえば、日本では箸文化のため、明治以降牛肉が一般的に食べられるようになっても、箸で切れるぐらいの柔らかい肉が好まれたことから霜降り肉の需要が高まりましたが、フランスでは霜を故意に入れるのは水増しとされ禁止されていることなど、木下先生は「歴史・文化を学べば、自然と理解できる。料理は勉強するもの」だと言います。
旅館の料理としては、最近の「締めの○○」といった料理が多くでているというマーケティング的な要素も考え、「えこめ牛」を使った旅館ごとのオリジナルの『締めのカレー』を作ってはどうかと提案。最後に、会場からの質問にも積極的に答え、旅館の料理人の育成について「納得できるようにきちんと教えられるかどうかが重要だ」とアドバイスしました。
今回、新しいメニューを知るということだけではなく、このセミナーをきっかけに料理を学び続けることの大切さを改めて感じていただけたら、一過性でない地域活性の基盤を作っていけるのではないかと思います。
※写真提供:旅行新聞新社