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料理のチカラプロジェクト

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「和歌山食材テロワール事業」柿園地視察&交流会

地域連携

2014.08.22

今年度、辻調グループは和歌山県と協働し

食の絆で地域活性化に繋げる「和歌山食材テロワール事業」

に取り組んでいます。

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食の絆による官学連携事業を通じ、

Iターン・Uターンを希望する学生・研究生への支援、

生産地を知る料理人・パティシエの育成、

和歌山県食材のおいしさの発信がメインテーマになっています。

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その一環として、8月7日の木曜日に

辻製菓技術研究所で学ぶ研究生及び教員が

和歌山県伊都郡九度山町に向かいました。

目的は、地元の柿園地の視察と交流会です。

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大阪市内から約2時間、高野山にほど近い

伊都郡九度山町に到着しました。

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この一帯は、日本有数の柿の生産地で、バスから降りると一面の柿園地です。

この地域は柿の実が成熟する夏から秋にかけての1日の寒暖の差が10℃にもなり、

これにより味が凝縮された甘い柿が出来るようです。

また日中の温度が30℃前後を保ち、他の生産地よりも比較的暖かく、

適度な傾斜地で水はけもよく、糖度・果実の大きさ・色づきに

佳い影響を与えているそうです。

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さらに、周辺の地質が粘土質で保水がよく

日照にも強い適した土壌でもあるようです。

和歌山での柿の出荷は8月下旬からなので、成熟途中。

まだまだ柿の実は真っ青です。

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生産者の方から地の利を生かした柿生産の話をはじめ、

苦労話などを聞くことが出来ました。

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やはり地の利だけでは出来ない「人の技術」の話は大変興味深い話でした。

どの果樹生産でも共通する摘蕾・摘果・剪定をはじめ、

成熟していく実の重量に枝が耐えれる様 竹で支える作業のことや

下草の刈り加減の話まで。

特に興味深かったのは、

葉で蓄えた栄養分が実が付いた枝より下部へ降りないようにするために

実が付いた枝の付け根部分の皮をそぎ落とす「側枝環状はく皮」の話でした。

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生産している柿には種類があり出荷時期が異なります。

渋柿の代表品種でもある「平核無」をはじめ、

平核無の枝変わり品種であり、和歌山で最も多く生産されている「刀根早生」、

甘柿の代表品種でもある「富有柿」等様々です。

青果店や量販店で売られている刀根早生等の渋柿ですが、

購入してそのまま食せるのは渋みを抜く

脱渋(だつじゅう)が行われているからです。

家庭で手軽に渋みを抜くには

焼酎等スピリッツ系を霧吹きで吹きかけ、

2日ほど置くなど方法がありますが、

生産地で行われる脱渋処理はアルコールを使った方法、

炭酸ガスを使った方法の2つが主流となっています。

アルコールによる方法は、エタノールを与えることにより

果実内の酵素をアセトアルデヒドに分解するというものです。

炭酸ガスによる方法は、柿の内部でアセトアルデヒドを作り出すというものです。

現在はほとんどが炭酸ガスを使った方法で「ほぼ完全脱渋ができ、

アルコール法のようなばらつきがなくなった。」と言われています。

園地では、まだ青く脱渋していないもぎたての渋柿の試食もあり、

研究生らは皆渋い顔をしながら(笑)説明に聞き入っていました。

ある研究生からは、この渋みを生かしたスイーツが出来ないか?

等の意見もあったりし、非常に有意義な園地見学となりました。

その後、伊都振興局に移動し昼食の時間になりました。

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昼食前、和歌山県内及び大阪・泉州地域等でベーカリーショップ等を

展開する株式会社カワの町山氏からのご挨拶がありました。

町山氏は、辻調グループの卒業生でもあり、

当グループで教員もされていた方です。

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昼食は、株式会社カワが製造する

「紀州梅バーガー ~はちみつ南高梅とチキンカツ!!あがらの梅ぇWソース~」

を皆でいただきました。

*あがらとは、和歌山の方言で「わたしたち」の意味だそうです。

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このバーガーは、株式会社カワをはじめ、

和歌山県内外の梅干や食肉、パン、ソース等の

異なる食品事業者や食品メーカーで構成された

「紀州梅バーガー開発研究会」公認のご当地バーガーです。

丸ごと乗せた紀州南高梅をメインに、

地元産の銘柄鶏「紀州うめどり」のチキンカツ、

それと相性の良い色見鮮やかな大葉とトマトを

八穀バンズで挟んだバーガーです。

仕上げに梅ピクルスのタルタルソースと

梅肉の特選黒ソースのWソースを使い

「和歌山の美味しい!!」を凝縮したバーガーとのこと。

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和歌山県のトップブランドでもある梅をはじめ、

地域に根差した食材を用いた一品。

町山氏から説明を聞きながら食した

研究生たちは、テロワールを感じたのではないでしょうか。

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昼食後、辻製菓技術研究所研究生・教員をはじめ、

辻調グループ卒業生の方々や

地元柿生産者の方々、

県内で様々な果樹を生産し活躍されている青年農業士の方々、

地元で学ぶ和歌山県立紀北農芸高校の生徒・教員の

皆さんが加わり、午後からの部(交流会)がはじまりました。

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まずは県の担当者から和歌山県の果樹についてのお話がありました。

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国内で最も農業においての果樹比率が高く、

生産量もトップクラスである和歌山県。

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なぜ果樹比率が高いのか?、なぜ生産量が多いのか?

テロワールに基づいての説明がありました。

その後、午前中見学させていただいた柿生産者の方から

柿生産においての「地の利」についてより詳しい説明があり、

どちらも多くの研究生が熱心にメモを取っていました。

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その後、和歌山で洋菓子店を開業している

「ル・パティシエ ミキ」の三鬼氏から

地方での開業・就業のための講演が行われました。

三鬼氏は三重県出身で、辻調グループ卒業後大阪のホテル等で

活躍され、後に和歌山のホテルで活躍されたことを機に

和歌山で開業された方です。

Iターンされ独立開業された三鬼氏は、地元生産者としっかり繋がった

安心安全でまさにテロワールを感じることのできるスイーツを

数多く開発されています。

そんな三鬼氏のお話は、

来年就職を控え、就職活動中の研究生たちに響いたのではないでしょうか。

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最終パートは、交流会です。

交流会はグループワーク形式で行われ、

テーブルごとにお題が決められ、それについて活発な意見交換がされました。

ちなみにテーマは、

<テロワールを知ること、伝えること>、

<地方での開業・就業の魅力と課題>

でした。

現役パティシエからの意見をはじめ、生産する側からの意見を聞くことが出来、

研究生には非常に刺激的だったと感じました。

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最後は各テーブルごとに、これまで交わされた意見が発表されました。

生産者が見える食品の重要性や、生産者と製造者との繋がりの重要性などの

非常に前向きな意見をはじめ、

地方就労への不安や、若い農業就労者不足などの

実際直面するであろう意見なども発表されました。

しかしこれは全国の地方自治体が抱えている問題でもあり、

今後話し合われなければならない問題でもあると思います。

全テーブルの発表が終わり、今回の見学&交流会は終了しました。

今後の予定は、辻製菓技術研究所が大阪市阿倍野区に構える

実習店舗P.L.T.(パティスリー ラボ ツジ)にて

研究生が和歌山県食材を使って開発・製造した

スイーツの販売を9 月(12日~15日)、1 月、3 月に行う予定です。