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料理のチカラプロジェクト

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女子栄養大学にて鹿肉加工調理の検証実験をおこないました

研究開発関連

2020.09.14

2020年8月26日、女子栄養大学(坂戸キャンパス)にて「処理方法の異なる鹿肉の加熱調理における嗜好性」についての検証実験をおこないました。本検証実験の目的は、ジビエ肉の取り扱いに関して、①手元に届く前の下処理の影響(血抜きの有無)、②加熱調理の影響の比較、③学生が官能評価することであり、実験終了後は学部生・院生たちとディスカッションしました。

集合写真
実験終了後に撮影した集合写真(中央が中田)

昨年、【ブイヨンのおいしさとコク】というタイトルで論文を執筆し、近々『食べ物のコクとは何か』という本に掲載されるのですが、その中で取り上げた「鹿のブイヨンとコンソメ」について、女子栄養大学・栄養学部の西村敏英教授がご興味を持たれたことが、今回の実証実験の契機です。流通している鹿肉にはばらつきがあり、ときにはランシッド臭(脂肪分解臭)のする肉もあるため、検証実験をおこなう際、購入した鹿肉を用いることはできません。同じ条件になるよう正しく血抜き、および火入れをおこない、鹿肉の特性について鼻先香・口中香・食感を評価しました。

参加学生からは、今回の実験内容はもちろんのこと、今まで疑問に思ってきたことも含めて質問が飛び交い、時間延長するほど非常に白熱したものとなりました。またジビエに限らず、料理人の素材選びについてなど多くの質問が出ました。

学生自身が、追求したい目標が明確で、個人個人非常に志が強く、教える側も良い刺激をもらえた一日となりました。今回の検証内容を参加学生がまとめてくれましたので、以下のPDFファイルをご覧ください。とても分かりやすいので、辻調の学生にもぜひ読んでいただきたいと思います。

シカ肉調理実験レポート(女子栄養大).pdf(リンクが開きます)

また機会があれば、このような取り組みに参加したいと思います。

辻調理師専門学校・西洋料理担当 中田淑一