日本ジビエ振興協会主催「第6回・日本ジビエサミット」にて講演
2019年11月20~22日、東京ビッグサイトにて、一般社団法人日本ジビエ振興協会主催の【第6回 日本ジビエサミット】が開催され、辻調グループから2つのタイトルで講演しました。
まず「ジビエメニュー化セミナー ジビエ部位の特徴と料理のポイント」では、辻静雄料理教育研究所の山田研先生による国産ジビエ認証制度や認証施設からのジビエの購入方法の説明があり、エコール辻東京の秋元真一郎先生、松本晃先生、小山瑞季先生による、部位ごとに適した調理法、そしてその特長を生かした日本料理、西洋料理のメニューが紹介されました。
続いて、「安全でおいしいジビエの加熱条件とは?」では、同研究所の山田研先生、迫井千晶先生とエコール辻東京の秋元真一郎先生が登壇しました。
初めに、この講演は今年度全国で実施されたジビエ料理セミナーの一部ダイジェストであるという説明とともに、山田先生からは、縄文時代から続く日本における野生鳥獣の食肉としての歴史と害獣としての歴史の話がありました。
次に、迫井先生から、食肉としてのジビエと家畜の安全性の違いについて、食中毒を起こす細菌・ウイルス・寄生虫について、さらに、厚生労働省が推奨する中心温度75℃1分間と同等の加熱条件を提示して、安全にジビエを食べるための加熱の重要性についての話がありました。
最後に秋元先生は、「ジビエ肉の生食」の問題を取り上げ、「生食はダメ」と注意喚起したのちに、「ジビエの危険性を知らないで調理する人もいる。今回、この講演会に参加された皆さんも是非、安全においしく調理する方法を広めてほしい」とお話しされました。また、おいしくジビエを食べるためには、「お肉に気づかれないように加熱するのがコツ。低めの温度でジューシーに調理するとおいしい」と説明しながら、ジビエのポワレの加熱調理の様子と真空調理で中心温度65℃15分以上の加熱調理の様子を、動画も交えて紹介されました。
講演後は、参加者の方々の積極的な質問がありました。「ジビエの肉は品質にばらつきがある。良い肉の見分け方を教えてほしい」「真空にする時に空気が入ってしまうので、どうしたら良いか教えてほしい」といった質問が寄せられ、大盛況の中、講演は終わりました。
私も、肉に気づかれないように、低温でジューシーに調理されたおいしいジビエ料理が食べたくなりました。
ジビエを安全においしく食べるための研究を行う、私たち辻調グループの活動への期待は、とても大きいと改めて感じました。辻調の一員として、私もジビエに関する最新情報を、このような講演会等でお伝えするために、これからも日々努めていきたいと思います。
エコール 辻 東京 教務グループ
井原啓子