シンポジウム「日本茶・和食の普及が国際社会にもたらすもの」開催レポート
2020年2月19日(水)に、エコール 辻 大阪内カレッジホールにて、「日本茶・和食の普及が国際社会にもたらすもの」をテーマに、シンポジウムをおこないました。
詳細 公開シンポジウム「日本茶・和食の普及が国際社会にもたらすもの」開催のお知らせ
辻調グループは、去る2019年7月に、G20大阪サミット首脳夕食会で料理監修・調理協力をおこないましたが、世界各国及び機関の多種多様なお客様に対応するにあたり、日本の古くからの文化である「茶」や「精進料理」に、可能性を見た経緯があります。本イベントは、それぞれの専門家をお呼びし、置かれた状況を整理することで、今後の普及に役立つような糸口を探ることを目的としました。
会の挨拶は、主催となる農林水産省事業の委員でもある、日本茶インストラクター協会専務理事の奥村静二様よりおこなわれ、日本の茶について、正しい方法で世界に広めてほしい思いを語られました。
第一部では、精進料理の料理人・棚橋俊夫氏が登壇され、精進料理の考え方と実践により、現代社会がいかに持続可能な世界の実現を目指していくかを熱弁されました。静謐な空間で目を閉じ、胡麻を擂る音と香りを体いっぱいに感じる体験は、新鮮なものであったかと思います。
第1部と第2部の幕間では、棚橋氏による胡麻豆腐が参加者全員に振るまわれました。合わせて、非常に薫り高いほうじ茶と、色の美しい玉露のマリアージュを楽しんでいただきました。茶2種は、日本茶業学会・武田善行先生のチョイスによるものです。日常の茶とは全く異なる上品な味わいに、参加者の驚く様子がうかがわれました。
第2部のパネルディスカッションでは、食生活ジャーナリストの会・小山伸二の進行で、日本茶業学会・武田善行先生、多田製茶株式会社・多田雅典氏、棚橋俊夫氏、辻調理師専門学校日本料理教員・若林聡子によるクロストークがおこなわれました。武田先生、そして多田氏のお話は、知見深く、熱意をもって茶の普及に尽力される横顔が見て取れ、お二人越しに茶の世界の可能性を強く感じるものでした。料理人も歩調を合わせ、双方の強みをいかし、日本の食文化の発展に寄与できることを期待します。
当校では現在、調理の現場における茶を学べるプログラムを開発中です。本シンポジウムで語られた内容も参考にいたします。
頂戴したアンケートは、今後のイベントや教育に活用させていただきます。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。