STEAM教育チャレンジ (6)~国立祭でのオリジナル料理提供に向けてラストスパート2!~
今年度の国立祭で提供するオリジナルコース作りに、STEAM教育の手法を用いて取り組む、辻調理技術マネジメントカレッジ2年生の2023年2月1日(水)の実習レポートです。前回、STEAM教育チャレンジ(5)に続いて、今回は日本料理の2回目の試作を含む、本番に向けての様々な準備についてです。1回目からどう改善されているのか楽しみです。
当日は、料理作りだけではなく、料理の説明や提供など、お客様へのサービスもありますので、料理の仕込みや味の確認はもちろん、テーブルを飾るナプキンのアイロンがけもあれば、料理を提供するための様々な事前準備が必要となりますが、どれも学生たちが主体的に進めています。
クラスコンセプト『無限大∞島国NIPPONの可能性』を具現化するような献立を目指しました。
さらに、自分たちのありたい姿や思いは表現できたでしょうか?
前回に引き続き、【国立大学法人東京学芸大学】の金子先生と【NPO法人 東京学芸大こども未来研究所】の原口先生にご試食に入ってもらい、直接アドバイスをいただきました。
先付八寸は「季節のうつろい」と題して、この試作では、右上から左側へ反時計回りに食べると、冬から春への「うつろい」を感じられる趣向としました。
テーマや自分たちの思いを具現化するために、献立の書き方と料理の盛り付けを結び付けて、更に完成度は高くなっていました。椀物は、料理として、前回に比べて塩味も濃度も程よく、椀種である真鯛の食べやすさや、鶯菜の緑や柚子の黄で彩り添えるなど、盛り付けも工夫されていました。しかし、『日本のお米』というシンプルすぎるテーマ名では、この椀物の世界観がしっかり伝わらないという理由で、テーマを表現する言葉は本番までに見直しとなりました!
盛り付けも風味も改善されましたが、この献立の世界観を十分に表現するためには言葉の不足が...
揚げ物は、日本、西洋、中国、エスニック料理と、この2年間でそれぞれ異なる方法を学んできた調理法です。3種それぞれを揚げる温度は前回より的確で、テクスチャーも味も明らかに良くなりましたが、今回は、叩いた木の芽の盛り付け忘れがあったほか、味付けの微妙な塩加減など、改善点のフェーズが前回から変わりました。しかし、これは成長の証しです。基本的な調理自体はすでにできていますので、仕上げまであと一歩です。
木の芽を載せ忘れたり、空豆のピュレを入れ違ったり、改善すべき点はあるものの、揚げ具合はバッチリの三種の揚げ物です。
食事は、釜の蓋を開けた瞬間のスモークの香りや量から、具材の大きさ、味付けまで、前回から改善されていました。ご馳走のコース料理の〆として十分のインパクトがあります。しかし、『自然の豊かさ』というテーマ名だけでは、学生たちが表現したいストーリーを伝えきれていないということで、これを伝えきれる改善が課題として残りました。
蓋を開けた瞬間に立ち上る湯気と香りの感じは狙い通りです。
さて、今回の試作をご試食頂いた、金子先生と原口先生からは、「先付の「季節のうつろい」は、食べ手に想像力を与えてくれるとても良いネーミング!」「サービス担当者は、食材の説明のみでなく、料理を通して何を感じて欲しいか、思いの説明を織り交ぜるとより良い」といった貴重なアドバイスを頂きました。本番前最後となる3回目の実習までの改善課題です。
↓↓朗らかで優しい二人の先生方からのアドバイスに真剣に耳を傾ける学生たち。
3回目の実習を経て、2月25日(土)・26(日)が本番の国立祭です。
STEAM教育を取り入れて、自分の「ありたい姿」からスタートし、イベントのテーマを体現し、試行錯誤を繰り返して、もうすぐオリジナルコース料理が完成します。今まで以上に学生たちの考えや思いが詰まった特別な作品へと仕立上げたいと思います!
辻調グループ エコール 辻 東京 中野真道