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料理のチカラプロジェクト

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TSPAレポート#13:美食のワールドカップ、ついに決戦の時!<大阪>

TSPA

2013.10.17

皆さんは、“美食のワールドカップ”と聞いてどんな大会を想像するでしょうか?


美味しいものが集まる大会?


料理で対決するの?…などなど。

 

実はこの美食のワールドカップ、正式には『ボキューズ・ドール国際料理コンクール』といい“現代のフランス料理界の帝王”とも称されるあのポール・ボキューズ氏により創設され、2年に一度フランスのリヨンで本選が開催される料理の国際大会です。国際大会と言うだけあって総参加国は60カ国にも及んでいます。
この本選に参加できるのはそれぞれの国においての国内大会、続いて大陸予選(欧州、アジア、ラテンアメリカ)を勝ち抜く必要があります。まさに“いばらの道”とも言える大会です。


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さて、今回、実際に目の前で繰り広げられた日本代表選考会決勝の熱い戦いを
臨場感あふれるレポートでお伝えします!


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大会会場は辻調理師専門学校。普段は私たち学生の明るい声で溢れている校内が、何とも言えない静けさに包まれています。いつもとは全く違う雰囲気で、その空気感にシュッと背筋が伸びるような感覚を覚えます。

まずは今回の決勝にコマを進めた6名の早々たるメンバーを紹介しましょう!


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・森田 啓一さん  「品川プリンスホテル」
・小霜 浩之さん  「Koshimo plus」
・森田 安彦さん  「株式会社 ホテル日航福岡」
・高山 英紀さん  「メゾン・ド・ジル芦屋」
・塩貝 龍太さん  「株式会社 ホテルグランヴィア大阪」
・徳重 慎一郎さん「株式会社 城山観光ホテル」


これら6名のうち塩貝さんと徳重さんの2名は、我らが辻調グループのエコール 辻 大阪の卒業生です!
大先輩が世界へ挑戦するのかと思うと、努力しだいでは自分にもチャンスがあるのでは!?…と夢が広がります。


さあ、競技開始前の選手の皆さんは緊張した面持ちですが、その裏には満ち溢れた闘志が隠されているような印象です。


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各人の持ち時間は3時間。本来ならばその3倍はかかるテーマです。
時間内に仕上げなければいけないプレッシャーや不安からか動きもそわそわした感じで、実際に現役バリバリで現場で活躍する方でも、こんな姿になるものかと衝撃を受けると同時に、シェフの方々をそこまで緊張させる特別な大会だということがひしひしと伝わってきます。


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最初は慣れていない調理場にも苦戦しながらも徐々に自分のリズムをつかみだす選手達。「さすが!」です。ある選手は、スタートの合図がかかると、押し潰されそうな緊張から解き放たれやっと自分の出番だぞ!と言わんばかりに笑顔で調理を始めます。まるで水を得た魚のようです。


時間が進むにつれて競技会場内には、美味しいそうな香りが漂い始め、緊張感に加えて期待感が一気に溢れてきます。そんな空気感の中で選手達は自分の頭の中にある構成、そして刻一刻と進む時間との間で、ひたすら自分との戦いに挑んでいます。3時間という持ち時間は決して長くはありません。残り時間が告げられると目付きが変わり追い込みをかける選手、少し焦りが見える選手…それぞれに表情は異なるものの一気に緊迫した雰囲気に包まれます。


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繊細な指先で盛り付けられていく料理。その場にいるすべての人の視線が集中し、息も詰まるような、時間が止まったような、今までに経験した事のない空気です。見ている方が自然と力が入り肩が凝ってしまうほど。


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そして、次々に仕上がっていく料理!それは料理というよりも、それぞれが一つの芸術作品のようです。
選手達のどんな思いがこの作品に詰まっているのか、考えるだけでワクワクします。


残念ながら私達は、その味を味わう事は出来ませんでしたが、その美しさを目に焼き付け、しっかりと目で味わうことができました。


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今回の国内大会を終え、見事に日本代表の座を射止めたのは「メゾン・ド・ジル芦屋」の高山 英紀氏でした!


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高山氏に続く入賞者は以下のとおりです。
2位:塩見 龍太氏 (株式会社ホテルグランヴィア大阪)
3位:森田 安彦氏 (株式会社 ホテル日航福岡)
エコール 辻 大阪のOBの塩貝さんは、惜しくも2位でした!


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日本代表はこれから更に腕に磨きを掛けて世界へ挑みます。まだまだ道のりは長いでしょうが、ぜひとも世界に日本の料理人の技術力・精神力の高さを見せていただきたいと思います。
皆さんも期待を込めて、応援して下さい!

今回は、なかなか実際に見る事の出来ない国際コンクールの国内選抜に辻のTSPAだからこそ、潜入取材できた事が、とても光栄で、とても高いレベルの戦いをリアルタイム、本当に間近でレポート出来た事が私の中の貴重な体験となりました!

料理には本当にすごいパワーがあり、努力すればする程、その世界は広がるんだと改めて思い知らされた一日でした。

 


2013.10.17. 辻調理師専門学校 調理本科 TSPA