TSPAレポート#15:プロの戦い!<大阪>
“第15回ボキューズドール国際料理コンクール”
フランス料理界では知らぬ人のいないポール・ボキューズ氏が設立されたこのフランス料理の国際コンクールの国内予選決勝が先日、大阪 辻調理師専門学校で行われました!
1次予選である書類審査を通過したのは
時田 啓一 シェフ (品川プリンスホテル)
小霜 浩之 シェフ (Kosimo plus)
森田 安彦 シェフ (株式会社 ホテル日航 福岡)
高山 英紀 シェフ (メゾン・ド・ジル 芦屋)
塩貝 龍太 シェフ (株式会社 ホテルグランヴィア大阪)
徳重 慎一郎 シェフ (株式会社 城山観光ホテル)
この6名!!
決勝当日、
まずは審査委員長である株式会社ひらまつ 社長 平松宏之 氏の挨拶から始まりました。
ご自身がお店のオーナーであったり、料理長であるといった方ばかりですが、挨拶が始まる前からソワソワと皆さん緊張の様子でした。
挨拶の最後、平松氏からの「自信のほどは?」という質問には皆さん緊張した硬い笑顔で返され、平松氏が教室を出ると、お互いの顔を見合わせて皆さん安堵の様子でした。
その後、1番 時田シェフから調理が始まり、
後20分遅れで2番、3番とスタートします。
決勝での審査では肉料理のみで、
課題食材は仔牛肉。
皿盛りを2皿、プラトー(銀角盆)6人前盛りを作ると言うものでした。
1番の時田シェフから順に始まり、
それと同時に教室にも緊張感が広がります。
そして20分おきに、2番、3番のシェフが入ってきて料理を始めると、
皆さん、お互いをちらちら気にしながら自分の料理を進めていました。
比較的落ち着いた様子で料理を進められる方。
緊張と焦りが感じられる方、様々でしたが、途中、平松氏と審査員である、
過去の日本代表として「ボキューズドール」で戦ってきたシェフ6名が実習室に
入ってこられた時は、どの選手も緊張の様子でした。
審査員の方々は厳しい視線で出場者の作業、清潔さ、使っている器具、食材。
色んな所を見られていました。
選手が審査員に囲まれる場面も何度か見られました。
その時の緊張感は本当に凄いもので、選手の方も、もちろん緊張されていましたが、
近くで見ているほうが緊張感に押し潰されそうでものすごく疲れてしまいました。
料理提出10分~15分前になると、どのシェフも料理の盛り付けに入ります。
盛り付けが始まってからは本当に時間との勝負で、時間内に、
そして美しくと言う選手の焦り、そしてなんとも言えない緊張感が、
すごく伝わってきました。私の眼も何度も時計と料理を往復していました。(笑)
盛り付けを始めるタイミング、スピード、正確さ。そう言ったことの難しさを実感しました。
完成した料理はそのまま審査員のいる教室へ運ばれます。
運ぶ先生たちもすごく緊張の様子!
教室に入ると盛り付けられた料理を審査員の方にまず見せて周り、
ソースをかけ、皿盛りの料理は審査委員長の平松氏、辻調グループ校長 辻 芳樹校長へ。
プラトーに盛られた料理は、皿に取り分けられ、審査員の元へ。
盛り付け、技術、味、色んなことを厳しい目で、舌で、審査されていました。
そんな厳しい審査、緊張を乗り越えて、優勝されたのは
高山 英紀 シェフ (メゾン・ド・ジル 芦屋)
2位は、塩貝 龍太 シェフ (株式会社 ホテルグランヴィア大阪)
3位は、森田 安彦 シェフ (株式会社 ホテル日航 福岡)
塩貝 龍太シェフ 森田 安彦シェフ
料理のパーツも多く、今回の出場者の中で1番スピードのある仕事をされていたように、
見受けられました。料理には紅葉が散りばめられていて、日本の季節を感じられるような
とても綺麗なもので、ここまで料理がまとまるんだな、と驚きでした。
決勝の様子を間近で見させてもらって、皆それぞれ仕事も忙しい中で大変な努力をして、
この日を迎えたんだろうな、精一杯な気持ちで、必死で戦っているんだろうな、
だからかっこよく見えるんだろうな、と思いました。
優勝された高山シェフは、これかアジア予選に出場し、
それを勝ち抜くとフランスでの世界大会が待っています!
きっと素晴らしい料理を、戦いをしてくれると思います!
今回の取材、
スピード感、緊張感、
こんなに体で感じたのは初めてで、
とても刺激になるもので、
すごく勉強になりました。
高山シェフ、世界の表彰台を目指して頑張ってください!
辻調理技術研究所 フランス・イタリア料理研究課程 TSPA