TSPAレポート#32:菓子の基本を知る~古典菓子講習会に参加して~
皆さん、こんにちは!
辻製菓技術マネジメントカレッジの川崎です!
私は11月1日に、エコール 辻 東京で開催された
東京都多摩洋菓子協会主催のフランス菓子古典研究部の第七回の講習会に参加する機会をいただきました!
山崎先生から今回会場となったエコール 辻 東京についての説明もありました。
授業後からの参加でしたので、残念ながら、ほとんどの製品が出来上がっている状態でしたが、
そのときのお話を書こうと思います!
第七回の講習会は、Pierre Quentin 著の「La pa^tissie`re de la champagne et du la ville 」(1875)より、
翻訳・デモンストレーションを五関 嗣久先生、
さらに、デモンストレーションで藤生 義治先生と興野 燈先生、
調理科学からのアプローチでは、桑原清次先生の約4名の先生で開かれた講習会でした。
五関 嗣久先生
藤生 義治先生
興野 燈先生
桑原清次先生
今回の古典菓子の研究会でピックアップされたのは、
「Pate a Feuilletage」 「Pate burisee」 「Meringue a la italienne」の3つでした。
3つのものをベースに、どんなお菓子ができあがっていくのか
私は途中から参加したため、正直、完成した予想図があまり思い浮かびませんでした。
しかし、ルセット(配合表)を見ていて、驚いたものがあります。
これは今回の対象ではないものですが…
お菓子の基本である「Cream patissiere」に砂糖が使用されていなかったのです。
最初は「え?どういうことだ?」と、戸惑いましたが、謎は解けました。
この後に濃厚なチョコクリームを加えてバランスを取っていたのです。
基本のルセットをいじったり・新たにナニかを足したりするのは
想像できていたのですが、基本のルセットから『抜く』ということが
私のなかにはなかったので、とても驚かされました。
出来上がったペルリーヌ
ガトー・ドゥ・マルス
古典菓子は想像より装飾が華やかで、同じ生地やクリームのルセットなのに、
ここまで違いが出るのかと、圧巻、唖然でした。
恵まれた時代になった今、大衆に人気の出るものを考えて、
様々な「アレンジ」が施されたルセットや器具等から、「美味しい」がつくられています。
ですが、改めてこの講習会で先生たちが作った古典菓子を食べて、
根本的な「初期のルセットがすでに美味しかった」んだと、気づかされました。
試食用のお菓子たち
フランス菓子古典研究会を受講して私が思ったことは、
古典菓子研究とは菓子の基本(始まり)を知ることによって、
「今」にどう活かしていくか、アレンジの幅を広げさせてくれるものに感じました!
2013.12.12. エコール 辻 東京 辻製菓技術マネジメントカレッジ TSPA