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辻調グループ フランス校

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実りの秋!Vendangeヴァンダンジュ(ブドウの収穫作業)

フランス校日記

2020.10.06

Bonjour, フランス校教務部です。
9月後半までは、まだまだ暑い日が続いていたフランスですが、10月に入ってグッと気温が下がり、ようやく秋らしくなってきました。
さて、秋と言えば収穫の秋。フランスと言えばワイン!
と言うことで、今日は、フランスの秋の風物詩である、Vendangeヴァンダンジュ(ワイン用のブドウの収穫)の様子を、少しだけお伝えしたいと思います。


機械化が進んだ今日でも、機械の入ることができないような急斜面や、AOP(原産地名称保護)によって義務付けられた地域では、ブドウを手摘みで収穫します。
手摘みは時間と労力がかかりますが、果実を傷つけることがなく、収穫と同時に選別を行うことができるというメリットがあります。


写真では伝わりにくいかもしれませんが、これで30度!程の斜度があります。
このような急斜面を、ブドウの入ったバケツを手に往復しながら、1日中ひたすら収穫します。
畑の規模にもよりますが、通常ヴァンダンジュの期間は1週間から2週間。
大変さが想像できますよね。


取材したのはフランス東部のジュラ地方にある畑。
白ブドウはChardonnayシャルドネとSavagninサヴァニャン、黒ブドウはPoulsardプールサールとTrousseauトゥルソーという品種が植わっていました(写真はシャルドネとトゥルソー)。


除梗作業の様子。
収穫後、黒ブドウは果梗(房の実を繋いでいる茎のような部分)を取り除き、実だけを発酵槽で漬け込みます。
白ブドウは除梗せず、全房をプレス機にかけて果汁を絞り、ジュースがワインの原料になります。
なお、除梗を行うかどうかは、作り手や地域によって異なるようです。


ヴァンダンジュの時期になると、ボジョレー地方では、Saucisson au gèneソーシソン・オ・ジェーヌ(ブドウの搾り粕と一緒に蒸し焼きしたソーセージ)の特設販売所が立ちます。
ブドウの香りを纏ったソーセージはとても美味。ボジョレー地方の秋の風物詩です。
例年、ヴァンダンジュは、南仏では9月上旬から、その他の地域では中旬から終わりにかけて始まります。
しかし、今年は年間を通して気温が高かったため、早い地域では8月中旬から始まり、9月の終わりにはフランス全土でほぼヴァンダンジュが終了していました。
また、地域によっては干ばつに苦しめられ、収穫量に恵まれなかった所も少なくないようです。

フランスでは、近年、温暖化に伴う異常気象が顕著になってきていて、農作物の栽培に大きな影響が出ているのですが、ブドウもまた例外ではありません。
そのような状況の中、生産者はなんとか美味しいワインを消費者に届けようと、一生懸命努力しています。
ワインを飲むときに、少しでもそれを造っている生産者に思いを馳せてみたら、普段より一層美味しく感じるかもしれませんね。