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辻調グループ フランス校

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Hawecker(アヴェッカー)

フランス校 食べ歩き日記

2024.10.18

フランス校から車で南に2時間半ほど行くとアヴィニョンという大きな街があります。川の幅の半分しかかかっていない橋、サン・べネゼ橋で有名ですね。そこから10分ほどでシャトールナール(オオカミの城という意味)に到着します。丘の上にそびえたつ古城が街のシンボルです。伺ったこの日はお店の近くで朝市が開かれており、大変にぎわっていました。

店舗外観

このお店のシェフ、フレデリック・アヴェッカー氏はM.O.F.のコンクールで2007年にファイナル、2011年には M.O.F.ショコラティエ(Meilleur Ouvrier de France Chocolatier-Confiseur)の称号を受賞されました。2015年にはC.C.C(Club des Croqueurs de Chocolatフランスのショコラ愛好家による会)で賞を獲得。こちらの賞はパリで誕生した世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の開催に合わせて、毎年発表されます。そんなすごいシェフですが、写真撮影にもとても気さくに応じてくださいました。

シェフのアヴェッカー氏

『パティスリー・ショコラトリー・アヴェッカー』は兄のギヨーム氏と2002年にオープン、そして2013年からは日本のチョコレートフェアでの販売もされています。もしかしたらご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

世界を旅しているかのような気分になれる名前が付けられていているチョコレートは見ているだけでも楽しいです。例えば、「Le voyage en chocolat」は箱に入ったそれぞれのチョコレートに国の名前が付けられていて、それはその香りに関連しています。【コルシカ島】ではコルシカのクレメンタインハニーガナッシュ(英clementine=ヨーロッパ原産の小さな甘いみかん)、【日本】では柚子ガナッシュというように。こちらのチョコレートは大変貴重なクリオロ種のカカオを使用しています。

20種類ほどのケーキが並んでいます。

食前酒と一緒に食べる塩気のあるトマトのタルトも美味しそう!

今回私が購入したケーキは

*Tarte aux figues de gravesons(グラヴゾン産イチジクのタルト)

タルトの土台にはパート・サブレ、アーモンドクリームにはミュール(英語ではマルベリー、ブラックベリー)のシロップをしみこませ、ミュールのジャムをのせてあります。ミュールのお茶を使った赤いフルーツの軽いクリームはフレッシュのイチジクの味の邪魔をせず、とても軽くふわっと溶けます。タルトをかじるとすぐ崩れるサブレ生地の食感がとても楽しいお菓子で写真映えがします。グラヴゾンはこのお店から20分ほど南にあるフルーツ栽培が盛んな街の名前です。

*Cheese cake vanilla caramel(ヴァニラとキャラメルのチーズケーキ)

底生地にショートブレッド(サブレ)、ヴァニラクリームチーズケーキ、ヴァニラのガナッシュ、中に柔らかいキャラメルが入っています。ヴァニラのしっかり効いた舌触りのなめらかなクリームと柔らかいキャラメルのバランスが良いお菓子で、甘さが控えめでいくつでも食べられそうです。

*Menton(マントン)

マントンはフランスとイタリアの国境近くの街の名前で毎年2月にレモン祭りが開催されるところです。マントンのレモンとヘーゼルナッツ(生地とクリームに使用)どちらも南仏で採れるものなので相性は抜群。
ミルクチョコレートのムースを食べるとするっと溶け、後からさわやかなライムの香りの鼻から抜ける感じがとても良く夏でも美味しく食べられます。

*Cake pistache-griotte(ピスタチオとグリオットのケック)

ピスタチオとグリオットの組み合わせは聞いただけで美味しいに決まっている!と思ってしまうぐらい私の好きな組み合わせです。グリオット(サクランボの品種)はクリ(Coulis果物を生あるいは軽く煮て果肉を裏ごし、果汁に糖分を加えたもの)にして、ピスタチオ生地に2層サンドしてあります。生地はスポンジ生地に近くしっとりして歯切れがよく、半分ほど一人で食べてしまいました。

2020年にはお店の近くに新しいアトリエも完成。そのアトリエはとても広くて作業がしやすそうです。こちらのお店では、ピエス・モンテと呼ばれる大型のケーキの注文も受け付けています。シェフにラボの場所を聞いて伺うと、ちょうど小さなシューをキャラメルで接着し円錐形に積み上げるクロカンブッシュを作成していました。フランスでは結婚式、洗礼式などのお祝いの時に注文することが多いようです。

Baptême(バテム)=洗礼のお祝いのものです。

毎週数台の注文が入るそうで、行ったばかりの研修生もクロカンブッシュのお手伝いをしているとのことでした。それはとても貴重な経験になりますね。

週末ということもあり、お客様が絶えず並んでいました。お菓子もチョコレートの種類も豊富で、南仏の素材を生かしたオリジナルの商品が並ぶ「hawecker」へぜひ訪れてみてください。フランスにいても、他の国へ行った楽しい気分になれるはずです。


住所:6 Cours Carnot, 13160 Châteaurenard
電話番号:+33 4 90 94 04 16
営業時間: 水ー金 08:00-12:30,15:00-18:00
      土 7:30-12:30,15:00-18:00
日 07:00-13:00 
定休日 :月、火

ホームページ:https://www.hawecker.com/
インスタグラム: @frederic_hawecker