FRANCE

LE PRÉ (ル・プレ)

フランス校 食べ歩き日記

2022.09.06

今回紹介する「LE PRÉ/ル・プレ」はフランス中部、クレルモンフェランから10kmほど離れたDurtolデュルトルという街にあるホテルレストランです。

シェフのXavier BEAUDIMENT / グザヴィエ・ボーディモン氏はロンドンの「one O one」

パリの「Carré des feuillants」などで経験を積み2006年にクレルモンフェランにブラッスリーを、2008年に、別の場所にガストロノミーレストランと5部屋のホテルを開業。

2012年にミシュランの1ツ星、2017年には2つ目の星を獲得しました。

ボーディモン氏のテーマは「地産地消」。土地の食材、季節のものを用いて旅をさせないこと。

レストランがあるオーベルニュ地方はフランスの中部にあり、土地の食材を探すにしても、

決して豊かとは言えず、限られたものばかりになってしまいがちですが、そういった食材を積極的に使うこと。そして新しいスタイルの料理に挑戦するというものです。

店内はガラス越しに光が入り、木のぬくもりが心地よい空間を作り出しています。

今回は食いしん坊のスタッフと一緒に行ったので、10品提供される

≪ÉTÉ DANS NOS MONTAGNES≫180€を注文し、シェフのエスプリを大いに感じてきました。

と言っても、その前にアミューズ(手でつまめる食前酒と共に食べる小さなおつまみのような料理)が7品も出てきたので実際はそれ以上食べてきました。

アミューズ①

2 fines de tartelettes「2種のタルトレット」

Huître de gillardeau

Concasée de tomate et omble chevalier

季節の始まりの牡蠣が潮の香りを運び、旬のトマトとナスタチウムが鱒科の川魚「オンブル・シュヴァリエ」を引き立てます。

アミューズ②

2 retouves fromage d'ici「土地のチーズを使った2種のアミューズ」

Sablé de cantal avec graine de carvi


Crustillant de peau de poulet st-nectaire fumé et œufs de truite

土地のチーズ「カンタル」、「サンネクテール」それぞれを使用したアミューズ。

カンタルはサブレにしてキャラウェイシードと合わせ、サンネクテールは燻製にして虹鱒とその卵と組み合わせています。

アミューズ③

Pain perdu crémeux d'oignon doux truffe d'été

小さなフレンチトーストと玉ねぎのクリームの上にたっぷりのサマートリュフのスライス

が盛り付けられています。

アミューズ④

Pied de cochon en 2 versions「豚足のアミューズ2種」

Beigné chaud sur levain

Chips soufflé avec anguille fumé sur un toast

豚足を使った2品。

豚足の天然酵母入りのベニエ(ふんわりとした衣)

トーストの上に、うなぎ燻製と豚足をフライにしたチップを乗せたもの。

ここから10品の料理が始まります

Grenouilles, jus à la sarriette

カエルのサリエット風味

カエルのもも肉は骨を取り除いて食べやすくしてロースト。

サリエットの香りがたっぷり効いたムースがかかっていて、スプーンですくって食べます。

Fleur de brochet, ail de la victoire

ブロシェ(かわかます)のムースをズッキーニの花の中に詰めて蒸したものと、

横にズッキーニの緑色の部分のグリエ、イエローズッキーニのスライス、数種のマイクロハーブの香りが料理を引き立てます。

Homard Breton, fruits rouges de region, Reine des Prés

ブルターニュ産、オマールのローストとクレームエペスのムース 

地域のベリー類とお店の庭で育てたカプシーヌ添え。

ɶuf de poule bio, pulpe fumée

卵の燻製とブールノワゼット(香ばしくしたバター)のエスプーマ

卵にはフォワン(干し草)の燻製の香りが効いています。

Truite, girolles, foin

虹鱒の低温調理と数種類のきのこ。干し草のエムリッションとサバイヨンとジロール茸

Viande du moment, noisett, jus cores, herbes séches

鳩のヘーゼルナッツ風味 ロゼに焼けたピジョンを縦半分に切っていましたが、

とても綺麗な焼き加減で、柔らかくジューシーでした。

ソースは鳩のジュに内臓が加えられていて濃厚な味わいです。

Fromages de nos plaines et montagnes

ワゴンチーズ(土地のチーズがいっぱいです)

Rumex des prés, rhubarbe...

ルバーブ 野生のオゼイユのグラッセ。

酸味のあるルバーブと野生オゼイユの組み合わせ。甘すぎず軽やかなパーツが食後の胃を癒してくれます。

Fraises de Vertaizon, fleur de sureau

いちごのコンポートとシャーベット。

にわとこ風味のムース。こちらも軽やかなデザートでした。

Chocolat grand cru Guanaja, romarin

バローナ社のグアナジャを使ったチョコレートのデザート。

ミニヤルディーズ(小菓子)

ブルーベリーを使ったお菓子です。

手前から

Pâte de myrtille ブルーベリーのパート・ド・フリュイ

Tartelette aux myrtilles ブルーベリーのタルトレット

Guimauve aux myrtilles ブルーベリー風味のマシュマロ

出てくる料理はどれも洗練されていながら、土地の食材を大切に提供されていました。

10品の料理を食べると、翌日を過ぎてもなかなかお腹がすかないのですが、

デザートの軽やかさがとても心地よく、とても印象に残るレストランでした。

Restaurant Le Pré **

Route de la Baraque - 63830 Durtol

TÉLÉPHONE : +33 (0)4 73 19 25 00