Restaurant Archange(レストラン・アルカンジュ)
今日はリヨンのテロー広場(Place de terreaux リヨンの市庁舎、美術館に囲まれており、自由の女神像の
設計者であるフランスの彫刻家フレデリク=バルトルディにより作られた噴水が有名。リヨン歴史地区の1つとして
1998年に世界遺産になっている)から、ほど近いレストランアルカンジュ「Restaurant Archange」をご紹介します。
このお店は大手ヨーロッパサイトのリヨンのレストランで1124件中6位にランクインしたこともあり、口コミで
シェフが日本人とも書いてあったので楽しみに行ってきました。
着いたのは夜7時半頃、店内は洞窟のような装飾になっていてムードがあり、いたるところに店名にもなっている
大天使の像が飾られています。
24人で満席の店内は、僕たちが着いた頃にはちらほらといる感じでしたが、帰る頃には
フランス人でいっぱいになっていました。
メニュー表、ワインリストは見たこともない形でこれまたお洒落。
メニューの最初のページには古代ギリシアの哲学者・エピクロスの言葉が。
"Dépêchons-nous de succomber à la tentation avant qu'elle s'éloigne."
誘惑に負けてしまおう、その誘惑が去ってしまう前に。と書かれています。
僕らも早く誘惑に負けてしまおう!と思い急いでオーダーしました!
カルト(単品を選ぶ形式)はなく、ムニュ・デギュスタシオン(何品かある前菜、メイン、デセールのうちそれぞれ
1つずつ選ぶもの)のみ、それ以外に前菜、メインにその日のおすすめが1品ずつ壁掛けの黒板に書いてあります。
メニューは前菜、メイン、デザートで28€とお得なお値段。
食前酒を飲んでいるとセルヴィスが一言「こんばんわー」と声をかけてくれました。
聞けばこのフランス人の男性、空手が趣味でその流れで日本の文化、言葉にも興味を持ち、独学で
勉強していらっしゃるそうです。
遠いフランスで自国の文化に興味を持っていただいているというのはやはり嬉しく、親しみを感じました。
ホールではこの男性がサービス兼ソムリエとして1人で回しています。
ワインもこの方と話しながら、ヴィオニエ(26€)に決めました。
てきぱきとサーヴしていただきました
程なくして食事がスタート。
まずは前菜
Les Ravioles de Volaille Fermière aux Cèpes, Crème d'Échalotes Légère
鶏とセップ茸のラヴィオリ、エシャロットクリーム、上には牛乳の泡が。
今までフランスで食べたどの料理より熱々で素晴らしかったです。
La Marinade de Crevettes aux Agrumes & Huile de Noisettes, Coulis de Basilic
湯がいた海老を柑橘類でマリネ、バジリコクリームの上にはヘーゼルナッツ油
La Terrine de Foie-Gras, Compotée d'Oignons & Fruits, Pickles de Légumes (+5.5€)
テーブルに載せるのが大変なほど大きなお皿でサーブ、中央にフォアグラのテリーヌ、
左右には玉ねぎとフルーツのコンポート、色とりどりのサラダが添えられている。
別に追加料金がかかりますがその価値はあります。
L'Ardoise du Moment
(Le Saumon Gravlax , Crème de Mascarpone Légère citronnée à l'Aneth)
この日の前菜のGravlaxとはスカンジナヴィアの魚料理で、サーモンを塩こしょう、香辛料、ウォッカなどのスピリッツ、
レモンなどでマリネしたものをいいます。
ソースにはマスカルポーネ、レモン汁、ディルが使われています。
そしてメイン
Le Dos de Cabillaud, Riz Noir & Petits Légumes, Réduction de Poivrons & Tomates
鱈の蒸し焼き、付け合せには黒米、バターを絡めた茹で野菜、ピーマンとトマトのピュレがソースの役割も担っています。
La Paupiette de Veau & Écrevisses Fricassée de Légumes de Saison & Jus Corsé au Citron Confit
Paupiette(ポーピエット)とは肉や魚で野菜などの具を包んだものを指します。
ここではÉcrevisses (ザリガニ)を子牛のミンチで包んでいました。
季節の野菜が添えられ見た目にも楽しいひと皿でした。
L'Ardoise du Moment
(Le Filet de Sole, Brunoise de Légumes & Pistaches, Sauce Beurre citronné)
メインのひと皿は舌平目、火を通した舌平目の周りに小さく角切りにした野菜とピスタチオがまぶされている、
レモン風味のバターソースで。
デザート
La Douceur au Chocolat & sa Crème Glacée aux Noix
Douceurとは心地よさ、甘美さを表現するフランス語で、その名の通りねっとりとしたチョコムース、
横にはくるみのアイスが添えられている
Le Minestrone de Fruits Rouges & sa Glace au Lait d'Amande
赤い果実のスープ、上にはアーモンドミルクのアイス。
La Crème à la Vanille & Abricot avec son Abricot Poché à la Verveine
ヴァニラのムース、上にはヴェルヴェーヌの香りを移したアプリコット。
どれも28€とは思えない盛り付け、美味しさでとてもお得で素敵なお店です。
最後にシェフにご挨拶をしようと厨房をのぞくと日本人と思えるそれらしき人はいなかったので、
あ、今日はいらっしゃらないのかな、と思い先ほどのサービスに聞いたところ、厨房にいた一人の男性を指して
「彼がシェフだよ」と教えてくれました。
ご挨拶をして話をさせていただくとどうやら口コミとは違い、シェフは台湾人でした。
厨房には他にモンゴル人のプロンジェ(洗い場)がいて、この3人で切り盛りしているそうです。
台湾人のシェフ、モンゴル人のプロンジェ、そして日本が大好きなフランス人のサービス、この多国籍なチームの
織り成す時間は居心地がよく、料理は美味しく、そして盛りつけは現代的ですが家庭料理のような温かみを感じました。
おすすめだと断言できるお店です、もしリヨンにこられる際は是非よってみてはいかがでしょうか。
Restaurant Archange
住所:6 rue Hippolyte Flandrin 69001 Lyon
TEL:(0)4 78 28 32 26
HP: http://www.archangecafe.com/