調理外来講習 M. Eric PRAS(エリック・プラ氏)/Maison LAMELOISE(メゾン・ラムロワーズ)
本日の外来講師は、エリック・プラ氏。
学校から北東へと車で2時間強、ブルゴーニュ地方シャニーChagnyの3ツ星レストラン「メゾン・ラムロワーズMaison LAMELOISE」のオーナーシェフです。
プラ氏は「トロワグロTroisgros」や「ベルナールロワゾーBernard Loiseau」などの
3ツ星レストランに勤められた後、2009年に「メゾン・ラムロワーズ」のシェフに就任されました。
2004年にはフランス最優秀職人章(M.O.F.)を受章されていて、準決勝ではレクレール校のシェフであるナレ先生が審査員の一人を務められたそうです。
今回作っていただいた料理は2品。
特産品のマスタードやグレープシード油を使用するなど、ブルゴーニュ地方のエッセンスを感じる料理を披露してくださいました。
ゆっくりと火を通した鯖、牛乳とマスタードのヴェールをまとったさやいんげん
スイカのマリネ、ラタトゥイユの香りのネクター
前菜は鯖とスイカ、ラタトゥイユというフランスの夏の定番メニューをプラ氏が一皿にまとめました。
軽く塩をふり、低温でしっとりと火を通した鯖のフィレ。
付け合わせには牛乳にマスタードを加え、ゼラチンで固めたラビオリが添えられており、中にはクルミ油のドレッシングで和えたさやいんげんが挟みこんであります。
赤ワイン酢をベースとしたマリネ液で漬け込んだキューブ状のスイカと、イカスミ風味のパンを棒状に切り、素揚げしたものが盛り付けられています。
横にあるポットには、ラタトゥイユに香味野菜でとったブイヨンを注いでゆっくりと煮込み、濾してから最後に生クリームを入れ濃度のあるネクター状に仕上げたものが入っています。
小鳩胸肉のロティとカリフラワーのピューレ、杏とアンズ茸のマーマレード
カリフラワーのピューレのうえに、54℃でゆっくりと火を通して皮目がパリっとなるように焼きあげた小鴨の胸肉があり、香ばしくローストしたアーモンドが乗せられています。
さらにオリーブ油の中でじっくりと火を入れたモモ肉のコンフィを盛りつけます。
付け合わせには、じっくりと炊いたセミドライの杏とアンズ茸からつくったピューレに、アンズ茸と色良く焼いたカリフラワーとともに、ブロッコリーとカリフラワーを細かく切って塩茹でにし、バターとフランス南西部、エスプレット村特産の唐辛子で調味したスムール(*注)が盛り付けられています。
どちらの料理も見た目のエレガントもさることながら、一つ一つのパーツに非常に手がかかっており、さすがは3ツ星レストランの料理だと研究生達も目を輝かせながら聴講していました。
今回助手を務めたのは左からフランス料理研究課程の松澤健矢さん、佐伯侑大さん、伊藤宗真さんです。
松澤さんは9月より同店での研修が決まっており、フランス語で会話しながらプラ氏をアシストし、講習を盛り上げていました。
(*注)デュラム小麦の粉に水を入れて指で揉み、小さな粒状にしたもの。日本では一般的にクスクスの名前で販売されている。