製菓外来講習 M. Jérôme LANGILLIER(ジェローム・ランジリエ氏)
今回のレクレール校製菓コースの外来講習は、ジェローム・ランジリエ氏にお越しいただきました。
ランジリエ氏は2009年開催のパティシエ世界大会「Coupe du Monde de la Pâtisserie」にフランス代表チームの一員として出場、大会ではアントルメとアメ細工を担当し、みごと優勝に導いた方です。(アントルメとは、ここではホールケーキを指します。)
現在はヨーロッパを中心に、プロを対象とした講習会での指導や、製菓企業へのコンサルティングを行うなど幅広い仕事に取り組んでいます。
今回はアメ細工のピエスモンテ(Pièce-montée)を作成していただきました。
アメ細工の準備から組み上げまで、とても丁寧に講義を行ってくださいました。
ピエスモンテとは、大型の装飾的な菓子の総称。菓子店のディスプレイや、結婚式などの儀式後の食事用に作られます。シュー生地などを使ったものや、チョコレートやアメなどの細工を組み合わせて、テーマに沿った演出をするものです。
日本では主にチョコレートやアメなどで作る細工物の事を指すことが多いです。
アメ細工は砂糖と水を150~170℃で煮詰めて使いますが、ランジリエ氏は特殊な砂糖を使用して水を使わずに煮詰めています。
そのまま型に流して固める方法や、煮詰めた後に大理石のテーブルの上で温度を下げながら引っ張って重ねる動作を繰り返してツヤを出していく方法があります。出来上がりはどちらも違った表情になり作品に変化をつけます。
アメを少量ひっぱりカットして曲線をつけて固めたもので花を作っていきます。
別のテクニックでは帯状に重ねたアメを引っ張り、リボンのようにも見せる事が出来ます。
同じアメから別々のテクニックで様々な物を作ります。できあがったリボンもツヤツヤでとても美しいです。
講義中は気さくに話しながら、助手を務めた研究生にも作業をさせてくださいました。
しかしピエスモンテの組み上げが始まってからは真剣そのもの。ランジリエ氏のテンポよく進む組み木に研究生たちも見入っていました。
出来上がったのがこちらの作品です。
数時間で作成したとは思えない美しい作品です。
そして今回助手を務めたのは大河 舞子さん、降籏 しおりさん、三井 かおりさん、竹花 愛さん、以上の4名です。
シェフの言葉をしっかりと聞き取ろうと集中しながら積極的に助手をしていました。
大河 舞子さん「ランジリエ氏の作業の中で一番印象的だったのがアメの着色です。迷うことなく狙った色を作っていくのは、しっかりとしたイメージが頭の中にあるからだと学びました。準備の大切さ・片付けの大切さなどアメ細工だけではなく、洋菓子を作る際にも大切な事を沢山学ぶことができました。アメ細工の授業は日本で一度だけしかやった事がないので、とても貴重な経験になりました。」
降籏 しおりさん「初めての外来講習のアシスタントでとても緊張していました。日本にいたころは2回しかアメに触る機会がなく知識もなかったので、見るものすべてが新鮮に感じました。リボンをつくったり、細い管にアメを流したり、素晴らしい技術を目の前で見ることができてとても感動しました。ランジリエ氏の技術を参考に、自分達が作成するアメ細工もキレイでテーマが明確な物にしたいです。」
三井 かおりさん「シェフの技術を真横で見られたことがとてもいい経験になりました。繊細なアメの作業を手伝わせていただき緊張しましたが、自分が作品を作る際のイメージが出来ました。フランス語の聞き取りはまだまだ未熟で、数回聞き直さないと理解できない事ばかりでしたが、徐々にわかるようになったことを自覚しています。」
竹花 愛さん「実際にアメをひく作業をさせて頂き、思った以上に熱く、慣れた手つきで作業するランジリエ氏の経験値の高さを感じました。助手をさせて頂き、フランス語がまだまだ聞き取れない事を感じました。知っている単語をもっと増やさなければいけないなと思いました。」
助手を務めた4名と記念撮影をしていただきました。
そして全員で記念撮影。
Merci beaucoup , M. LANGILLIER !