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辻調グループ フランス校

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製菓外来講習 M. Michel VIOLLET(ミッシェル・ヴィオレ氏)/Pâtisserie VIOLLET(パティスリー・ヴィオレ)

フランス校教壇から

2018.04.26

今回の外来講師、ミシェル・ヴィオレ氏はリヨンから東へ50km程の街、ブールゴアン=ジャイユーBourgoin-Jallieuにあるお店「パティスリー・ヴィオレ」でシェフを務められています。
ヴィオレ氏は1989年にM.O.F.(フランス最優秀職人章)を獲得されており、フランスのパティシエの中でも大ベテランの素晴らしい職人です。
機械化・簡略化が進むフランスの製菓業界ですが、現在も1つ1つのお菓子を手作業で仕上げ、使用する生地、クリームから副材料まで、昔ながらの製法で作られています。
その匠の技は、現在活躍する若いシェフたちからも尊敬されています。

現在のレクレール校の製菓研究生にとっては初めての外来講習、緊張した面持ちで授業開始を待っていました。
本日はこちらの2品を作っていただきました。


LES PRALINES ROUGES(レ・プラリネ・ルージュ)
リヨンの名物として知られるプラリネ・ルージュ、一般的にはローストしたアーモンドに赤い色素をいれたシロップで糖衣掛けしたものの事を指します。
今回の講習では「アマンディーヌ」という名前の大きな銅ボウルに自動回転しながら火を当てて加熱できる特殊な器具もご持参していただきました。
ローストしたアーモンドが機械の中でカラカラと回り、そこに煮詰めたシロップを少しずつ加えながら火加減を調節します。この作業を行い、アーモンドの表面に付いた液体のシロップが、固形の砂糖の粒に戻ろうとする性質、再結晶作用と言う力を利用して砂糖の膜を作っていきます。この作業を繰り返して徐々に大きな粒にしていきます。
最後に、香料とアラビアゴム(植物由来の天然樹脂、粘度と艶を与えます)を加え、香りづけと表面を仕上げていきます。
今回はフレーズFraise(イチゴ)とヴィオレットViolette(スミレ)の2種類の香りで作っていただきました。


BONBONS BATTUS MASSE(ボンボン・バチュ・マッセ)
ボンボン・バチュ・マッセは、砂糖、水、水あめを高温に煮詰め、香料と色素を加えて作ります。
今回は爽やかにレモンの香りで作ってくださいました。
冷ました液体をアメ細工同様に引っ張り、リボンのように伸ばし、食べやすい大きさにカットしていきます。
今回はカット用の特殊な器具もご持参していただきました。
アメの扱い、太さを揃えて伸ばすこと、単純に見えますがとても繊細な作業です。
一口サイズのアメの他、シュセットSucette(棒付きキャンディー)や白鳥も作ってくださり、味だけでなく目にも美味しいお菓子でした。

上記の2品以外にも食用色素を使用して、お菓子の表面にイラストを描いてくださいました。
細かいタッチでいながらも手早い作業で仕上げていらっしゃいました。

今回はなんと!
レクレール校、製菓のシェフであるデュラン先生の赤ちゃんの頃をイメージして描いてくださいました。
お菓子に直接イラストを描く技術は初めて見る研究生ばかりで、みんな興味津々でした。

助手を務めたのは、玉井稔也くんと板本樹くんです。
始めは緊張していましたが、積極的にシェフのアシスタントをしようと努力していました。

助手2名の講習後の感想
玉井くん「初めての外来講習、そしてアシスタントは心配7割・楽しさ3割でできたと思います。シェフがとても気さくに接してくださり、積極的に動くことが出来ました。また外来講習のアシスタントがしたくなりました。」
板本くん「初めてのアシスタントを経験し、スタージュ(研修)に行って実際にシェフと働くというのはこういうものなのかと肌で感じる事が出来ました。よりフランス語を学べば、より仕事に集中できると感じました。」

助手とシェフで記念撮影。

講習終了後、シェフとみんなで記念撮影。

Merci beaucoup, M. VIOLLET!!