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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Sébastien Chambru(セバスチャン シャンブリュ氏) L'ô des vignes(ロ デ ヴィーニュ)

フランス校教壇から

2022.02.17


今回の外来講習はレクレール校のあるボジョレ地方の北、マコン近郊フュィッセ村にあるレストラン「ロ デ ヴィーニュ」からシェフのセバスチャン・シャンブリュ氏が見えました。

撮影の際マスクを取っていただきました。

シャンブリュ氏は2007年にM.O.F.(フランス最優秀職人賞)を授章され、2017年にミシュランガイドで一つ星を獲得し、現在もその星を維持されています。高いテクニックとシンプルな技を合わせた料理を提供しており、季節のものや土地のものを使った料理が人気です。フュィッセ村は「ピュイイ・フュイッセ」というワインでも有名な村であり、ワインリストも自慢です。

今回披露していただいたのは二品です。

一品目 


さっと火を通した牡蠣にニンニクのピューレ、ワサビ風味のムースを飾った料理です。
講習では時短で行いましたが、ほんのりワサビの香りがするムースは通常1日以上冷やし、つやが出るように仕上げます。ニンニクのピューレは生のニンニクを4回もあく抜きをして丁寧に作りました。牡蠣は殻を付けたまま30秒ほど湯に通し、「生でも完全に火が通ってもいない状態」で盛り付けます。壊れやすい牡蠣を殻から外すテクニックはまさにプロフェッショナル!美しく仕上がりました。しゃきっとした歯ごたえを加えるためにフヌイユの千切りも中に入っています。

二品目

牛肉のもも肉のマリネとじゃがいものリゾット。トリュフのコンカッセ(砕いたもの)を添えた料理。

洋ナシの形をしているため「poireポワール」と呼ばれる牛のもも肉の一部分を使った料理です。こちらを胡椒の葉を使ってマリネします。胡椒ではなく胡椒の葉っぱであるところがおもしろいですね。さほど辛くならずに風味が付きます。じゃがいものリゾットはきれいに2ミリくらいの正方形に切り、お湯でさっと湯がきます。こうすることでクリームの中で茹でる時に均等に火が通るそうです。Puntarelleプンタレッレというイタリアの野菜も登場しました。珍しい野菜ですので初めて見る研修生も多かったようです。トリュフは刻むよりも砕いた方が、香りがよく出るので包丁の背中で砕いたものを最後に添えました。

「ニンニクを4回もあく抜き」「肉を24時間以上漬け込む」といったような手間をかけて作る品が多く、また食材を無駄にしないためのテクニックの話もあり、プロフェッショナルな仕事の真髄を見せていただいたと感じる講習でした。研修生も毎期お世話になっているお店です。ぜひ食べ歩きに行ってみたいお店のシェフの講習でした!


アシスタントを務めた研究生と一緒に撮影。撮影の際マスクは外していただきました。