専門講義 ボルドーワイン講習 M.Alexandre COHEN(アレクサンドル・コーエン氏)
今期最後の専門講習はボルドーワインについてです。今回の講師はリヨン近郊でボルドーワインやローヌエリアのワインについての講習をされているアレクサンドル・コーエン氏です。昔はワインと関わりのない仕事をされていたそうですが、ワインへの情熱が高まりレストラン運営などの仕事を経て現在の仕事をするようになったそうです。レストランでディレクションをしていた時も「ずーっとワインカーヴにいましたね(笑)」とのこと。現在も海外で講師をすることを目指した勉強などを続けている、ワインへのパッションがあふれ出るコーエン氏です。
ボルドーはフランス校のあるリヨン近郊からかなり距離があるため、自分たちで訪れることもなかなか難しいエリアです。リヨン近郊ではローヌのワインや距離の近いブルゴーニュワインはよく目にし、購入もしやすいですが、ボルドーワインは目にする数も少なくなかなか飲んでみる機会もないため、今回の講習ではまずボルドーワインを知るよい機会となりました。
初めにボルドーワインの歴史やエリアごとについての説明、ボルドーワインの特徴である「シャトーの格付けの話などを聞きます。そしてボルドーワインの一番の特徴ともいえる「ブドウの品種を混ぜる醸造の仕方」についての話がありました。ボジョレワインやブルゴーニュのワインは基本的に単一品種で作られますが、ボルドーワインは複数のブドウ品種を混ぜて作りますので、そこから複雑で興味深い味のするワインが生まれます。ブルゴーニュワインのように単一品種から生まれる繊細な香りと、ボルドーワインのような複雑で興味深い香りと好き嫌いはあると思いますが、日本でも「ワインと言えばボルドー」と言っても過言ではない有名なワインですので、今回の講習で特徴を知ることができ勉強になりましたね。
試飲では白ワイン、赤ワイン、発泡ロゼワインが出されました。ボルドーで発泡酒のロゼワイン、というのは最近作られたものですが、飲みやすく好評でした。白ワインはすっきりしたものとボルドーの甘口の銘酒「ソーテルヌ」があり、お酒が苦手な人もソーテルヌは甘く香り高いワインなのでおいしくいただけたようでした。赤ワインもボルドーならではの複雑な味がして「ボルドーワインとはこういうワインなんだな」ということを実感できたようです。
これから研修に出る皆さん、その後日本でフランス料理に携わる皆さんにとって、ワインの勉強はとても大事です。今期もフランス校ではフランスならではのいろいろなワインを学ぶことができました。ここでワインが好きになってくれた研究生もいたと思います。これからもいろいろなワインを勉強してみてくださいね。