FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 M.François MOUREAUX(フランソワ・ムロー氏) / LA POUTRE/Restaurant AZIMUT(ラ・プートル/レストラン・アジムット)

フランス校教壇から

2024.12.13


今回の講習はフランスのサヴォワ地方の『COURCHEVEL』クールシュヴェルにあるレストランAZIMUT(アジムット)とジュラ地方の『BONRIEU』にあるホテルレストランLA POUTRE(ラ・プートル)のシェフM.François MOUREAUX(フランソワ・ムロー)氏にお越しいただきました。季節に応じて2ヵ所のレストランを交互に営業されています。
冬から春の時期は多くのスキー客が訪れる『アジムット』にて最高の食材をベースにシンプルで現代的な料理を、春から秋の時期は父親の後を継いだ『ラ・プートル』にて、ボンリューの湖、山、川、森などの自然から着想を得た料理を提供されています。
ムロ―氏は『ラムロワーズ』やパリの『トゥ―ル・ダルジャン』など著名店で研鑽を積み、2001年より『ラ・プートル』を父親から引き継ぎ、2007年より『アジムット』のシェフに就任。ボキューズ・ドール2015年フランス国内大会では2位に輝くなど、確かな実力の持ち主です。

Huîtres pochées et bouchons de pommes de terre fondantes,Sauce vin Jaune et œufs de truite fumée

牡蠣を90℃に温めたオーブンで2分間加熱し、殻を開けて中の身を取り出します。こうすることで殻から身を外しやすくするのが目的だそうです。中のジュースももちろん使います。
じゃがいもは小さなパイプ状にくり抜き、さらにその内側を詰め物が出来るようにくり抜いた後にたっぷりと溶かした有塩バターの中で煮るように加熱します。ケース状にした中にはマスの卵を詰めます。
ソースはエシャロットをバターで炒め、ヴァン・ジョーヌというジュラ地方で作られるワインを加えて煮詰めます。そこに生クリームを加えてさらに煮詰めて仕上げます。
最後に牡蠣をジュースの中でゆっくりと温めて盛りつけます。牡蠣のうま味や磯の香りにバターをたっぷり含んだじゃがいも、そこに香り高いヴァン・ジョーヌのソースがアクセントになった素晴らしい1品です。

盛りつけをするシェフの様子です。

Filet de maquereau en escabèche jus et crème à la cerfuze

2皿目はさばを使った1品です。さばの身は塩をしてしばらく置き、熱々に熱したマリナード(香味野菜、シードルビネガー、オリーブ油で作った漬け汁)をかけて皮目に軽く火を通して、中は半生の状態で仕上げます。
ソースはアメ色になるまで炒めた玉ねぎに鶏のブイヨンを加えて煮込んだものを、お客様の前で注ぎます。
つけ合わせはバターナッツかぼちゃを1.5cm幅の帯状に切りそろえたものをマリナードに漬けてやわらかくし、円錐形に編み込み、中にバターナッツかぼちゃのピュレを詰め込んだものです。モミの木に見立てたバターナッツかぼちゃのつけ合わせは料理コンクールで実際に披露したものだそうです。
薬味として、ソースで使用したアメ色の玉ねぎ、クレーム・エペスと呼ばれる発酵クリーム、クリームチーズ、こしょうを混ぜたものを添えます。こちらも塩味、酸味、甘味の調和がとれていてバランスの良い1品です。

研究生も一生懸命シェフのアシスタントを務めています!

最後に、アシスタントを務めてくれた研究生と記念撮影。ムロ―シェフ、ありがとうございました!