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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Frédéric DOUCET(フレデリック・ドゥーセ氏) / Maison DOUCET(メゾン・ドゥーセ)

フランス校教壇から

2024.07.25

 今回、調理外来講師としてお越しいただいたのは、リヨンから北へ約90km離れた、上質な牛として有名なシャロレー牛の産地Charolles(シャロル)にあるミシュラン1つ星のお店、Maison DOUCET(メゾン・ドゥーセ)でシェフを務めるフレデリック・ドゥーセ氏です。
 ドゥーセ氏はグルノーブルの調理師学校を卒業後、Pierre ORSI(ピエール・オルシ)、Paul BOCUSE(ポール・ボキューズ)、TROISGROS(トロワグロ)という名立たるレストランで修業を積み、ご家族がシャロルで経営されていたお店を引き継ぎ、現在は同店のオーナーシェフとして活躍されています。研修先でもあり現在研修中の研修生も来てくれました。

 今回の講習は2品作成していただきました。

Filet de bœuf Charolais en croûte de foin de nos pâturages

 1品目はお店でもメインで使用されているシャロレー牛を使った料理です。
 まずシャロレー牛に糸を巻き、形を整えてバターで表面に焼き色をつけて、その後エシャロットと一緒に70℃の低温のオーブンで加熱します。
 中心温度が46℃になれば網の上に取り出して肉を休ませます。
 次に、干し草、モミの木、ミント、タイム、花山椒、小麦粉、水をミキサーにかけ、干し草と香草風味のパン生地を作ります。
 そのパン生地で先ほど焼いた肉を包んで成形し、高温のオーブンに入れて数種類の香草の香りをたっぷりと肉に移しながら焼き上げます。

 ソースは肉の切れ端を焼いて、玉ねぎ、にんじん、セロリを炒め、ブランデーと白ワインを加えてアルコールを飛ばします。子牛のだし汁、丁子、花山椒、干し草を加えて、しっかりと煮詰めて漉した後に、バターを加えて完成です。
 焼き上げたパン生地をカットすると、干し草と香草の良い香りが広がり、肉の火通しも綺麗に仕上がっていました。

 ソースと共にお皿に盛りつけて仕上げました。パンチとコクのあるソースに、香草の風味をまとったお肉の相性が絶品でした!

Pavlova fraise, lierre terrestre


 2品目はいちごとメレンゲを使ったアシエット・デセール(皿盛りデザート)です。
 様々なパーツを作成した後、綺麗に皿盛りにしていきます。
 まずは卵白を泡立てて、砂糖と粉砂糖を加えてメレンゲを作り、絞り出して乾燥させます。
 次に砂糖でキャラメルを作り、レモン汁といちごを加えて軽く火を通してキャラメル風味のマーマレードを作ります。
 3つ目は卵黄と砂糖を擦り混ぜて、そこにバニラのさやの香りを移した生クリームを注いで火にかけます。ソース状になればゼラチンとマスカルポーネチーズを加えてミキサーにかけ、冷やしてバニラ風味のクリームを作ります。
 4つ目は先程のクリームと同様の作り方なのですが、Lierre terrestre(リエール・テルストル)カキドオシと呼ばれるミントに近い爽やかな香りのする葉の香りを移してクリームを作ります。

 その他にもいちごのピューレ、リエールのピューレ、リエールのソルベとたくさんのパーツを使いお皿に盛りつけていきます。

 いちごの甘さとリエールの爽やかな風味が感じられる夏らしいデザートでした!
 メレンゲを逆さまにして盛りつけたり、初めて知るハーブなど今回の講習で研究生もたくさんのアイデアを得ることが出来たと思います。
 最後にシェフと研修生とアシスタントを務めた研究生で記念撮影を撮りました!