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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Guy LASSAUSAIE(ギィ・ラソゼ氏) / Restaurant Guy LASSAUSAIE(レストラン ギィ・ラソゼ)

フランス校教壇から

2024.06.13

 今回調理外来講師としてお越しいただいたのは、レクレール校から車で20分ほどのリヨン郊外にあるChasselay(シャスレー)という町でミシュラン1ツ星のお店、Restaurant Guy LASSAUSAIE(レストラン・ギィ・ラソゼ)でシェフを務めるギィ・ラソゼ氏です。
 ラソゼ氏はリヨン出身で「Restaurant la Pyramide レストラン・ラ・ピラミッド」などの有名店で研鑽を積み、1993年にM.O.F.(フランス優秀職人章)を受章されました。またトック・ブランシュ・リヨネーズ(料理人協会リヨン支部)の会長を長らく務められていました。現在はシャスレーのお店と、リヨンの街が一望できるフルヴィエールの丘の上にある「Bulle ビュル」というレストランにも携わられています。また日本のレストランとも技術提携をして、フランス国内にとどまらず世界で活躍されているフランス料理界の重鎮の1人です。研修先でもあり、現在研修中の研修生も来てくれました。

今回の講習では3品作成していただきました。

Purée de carottes, Jus de carotte réduit citronnelle et gingembre pickles de carottes au vinaigre de citron et Œuf mollet au caviar

 まず1品目は人参を様々な調理法で火を通し、構成した料理です。
 ①人参の薄切りを炒めて味を濃縮し、その後鶏のだし汁を加えて火を通しミキサーを使ってピューレにします。
 ②ジューサーを使って人参のジュースを絞り、生姜とレモングラスを加えてしっかりと煮詰めます。最後にバターとレモン汁を加えて仕上げ、ソースを作ります。
 ③人参を薄切りにしたものを、レモンヴィネガーで作ったマリネ液で漬けてピクルスにします。それを花びらのように巻いていきます。
 卵を沸騰したお湯に5分入れて半熟卵を作ります。
 皿の中央に人参のピューレを敷き、半熟卵を乗せその上にキャビアを飾ります。
 その周囲に人参のピクルスを並べ、その中に人参の葉や香草から抽出したオイルを注ぎます。
 最後に人参のジュースで作ったソースを流し、人参の葉とそばの実を炒ったものを飾って仕上げました。
 普段目にしている人参が数種類のパーツに変化させるテクニックはさすがです。

Langoustines en cheveux d'ange, beurre blanc à la vanille de Madagascar et salade d'herbes fraîches

 2品目はラングスティーヌ(手長えび)を使った料理です。
 手長えびには溶かしたバターを塗り、カダイフという小麦粉で作った極細の麺を巻き付けていきます。この作業はいつもお店で研修生が行っているようで、シェフの指示通りに行ってくれました。
 

 ソースはエシャロットのみじん切りをバターで炒め、白ワイン酢、白ワイン、バニラのさやを加えて煮詰めます。途中で鶏のだし汁を加えてさらに煮詰め、しっかり味が凝縮すれば漉します。その後バターを加えてバニラの種をソースに戻して仕上げました。
 お菓子ではよく耳にするバニラが料理に使われるなんてすごい発想ですね1
 つけ合わせにはアーティチョークを使います。
 玉ねぎのみじん切りを炒め、小さな角切りにした人参、下処理したアーティチョーク、白ワインを加えて煮詰めます。鶏のだし汁を加えて加熱し、味を含ませれば取り出しておきます。
 同様に加熱した別のアーティチョークはミキサーでピューレにします。
 つけ合わせ、170℃で揚げた手長えび、たっぷりのソースを流して盛りつけます。周囲には香草で作ったオイルやバニラのさやを飾り仕上げました。
 塩気がある手長えびとソースのバニラの甘い香りがとてもいいバランスの風味になっていました。

Suprême de saint-pierre cuit en fleur de courgette Velouté de courgette à la tapenade verte

 3品目は的鯛とズッキーニを使った魚料理です。
 ズッキーニの花を見たことはありますか?オレンジ色や黄色が鮮やかでとても大きく食用としてよく食べられます。ズッキーニの花と実すべてを使った料理です。まずメインの的鯛にズッキーニの花を巻き、バターで色づけないように焼きます。

 次にソースを作ります。玉ねぎを炒め、適度な大きさに切ったズッキーニ、白ワイン、鶏のだし汁、重曹を加えて火を通します。重曹には皮の緑色がくすむ前に繊維を分解して早く柔らかくする効果があります。柔らかくなるまで火を通し、生クリームとグリーンオリーブのペーストを加えてミキサーにかけ、綺麗な緑色のソースに仕上げて的鯛と一緒に盛りつけます。最後に香草から抽出した緑色の油と花を飾ります。
 シェフは寡黙な方ですが、作業の速さ、盛りつけの丁寧さ、配色の巧みさなどは研究生たちも参考になる部分がたくさんあったと思います。

 最後にシェフと研修生とアシスタントを務めた研究生たちで記念撮影をしました。