FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 M.Jacques MARCON (ジャック・マルコン氏) / Les Maisons MARCON(レ・メゾン・マルコン)

フランス校教壇から

2024.06.25

 今日の外来講習は「Les Maisons Marconレ・メゾン・マルコン」からジャック・マルコン氏にお越しいただきました。

 リヨンから車で1時間半ほど離れたSaint-Bonnet-le-froid (サン・ボネ・ル・フロワ)という村の山頂エリアにオーベルジュがあります。そこには三ッ星レストランとビストロ、パティスリー、バーがあり、家族で経営をされています。

 今回講習に来ていただいたジャック氏は、現在同店の統括シェフとしてレストランを運営されています。ジャック氏はレクレール校で数か月間の研修経験があるのでナレ先生は師匠でもあり、現在の研修生の先輩でもあります。その後スイスの名店ジラルデを始め地方のグランメゾンで経験を積みました。先日行われた2023年ボキューズ・ドール・フランス料理コンクールのフランス代表の試食審査員も務められ、幅広く活躍されているシェフです。
 ジャック氏の父のレジス氏は、1995年ボキューズ・ドールの優勝者で、現在もジャック氏と一緒に調理場に立っています。きのこを使ったさまざまな料理を生み出すことから「きのこの魔術師」とも呼ばれ、その他にもレンズ豆、土地の香草や食材を活かし、地産地消で独自の料理を作られています。
 山頂にあるレストランの店内は一面のガラス窓で、そこから見える景色には壮大な自然が映し出されます。お店のシンボルでもあるセップ茸やレストランの周り一帯で自然に育てられる香草など自然を満喫しながら味わえる料理と演出が魅力的なレストランです。

 今回は現在スタージュ中の研修生と共に、2品作成していただきました。

Omble artichauts sureau


 オンブルという淡水魚とアーティチョークを使った料理です。アーティチョークはバリグールにします。「バリグール」とはアーティチョークだけに使われる料理法で、詰め物にしてオリーブ油で炒める料理です。詰め物にはにんじんと玉ねぎを使い、エストラゴンやニンニクで風味を付けました。オンブルは皮のついた方をフライパンで焼き、皮を外してカリカリに揚げた千切切りのじゃがいもを巻きます。シュローは植物の名前で、「西洋ニワトコ」や「エルダーフワラー」とも呼ばれます。このシュローで作ったお酢を使ってバターソースにしました。

Selle d'agneau en croute, risotto épeautre aux cèpes


 子羊の鞍下肉は表面に焼き色を付けパン生地で包みますが、一緒に干し草を入れて香りを子羊肉に移しながらオーブンで火を通します。綺麗なロゼ色に仕上げるコツも伝授してくれました。ソースは肉を下処理したときに出る端肉を使い、じっくり時間をかけて濃いソースを作ります。
 つけ合わせはスペルト小麦のリゾットです。リゾットは野菜のブイヨンと乾燥セップ茸の戻し汁を使って火を通し、最後にチーズを加えて香りとうま味の詰まったリゾットに仕上げます。
 レストランでこの料理を注文するとパンに包まれた状態で運ばれ、お客様にプレゼンテーションされます。パン生地を切った時に広がる香りを楽しむことができます。研究生もお客様になった気分を体験しました。

 自家製の野菜やハーブを使った料理、素材の味を活かした料理を得意としたレストランの料理でした。多くの人が憧れるレストラン「レ・メゾン・マルコン」の料理とジャック氏のお話はとても興味深かったのではないでしょうか。


 最後に記念撮影を行いました!