調理外来講習 M.Olivier BONI (オリヴィエ・ボニ)氏 / ROUGIE(ルージエ)社
先日、フランス校では世界的に有名な3大珍味の一つと言われる"フォワ・グラ"の特別講習とハンズオン実習が行われました。フランス国内でのフォア・グラのトップメーカーであるルージエ社からオリヴィエ・ボニ氏を講師としてお招きし、1日を通してフォワ・グラについて詳しく説明していただきました。
ルージエ社はワインで有名なボルドーやトリュフで有名なペリゴールに近いDordogne(ドルドーニュ)県にあるフォワ・グラを専門に扱う会社で、「Ecole du Foie Gras(エコール・デュ・フォワ・グラ)」というフォワ・グラについて学ぶ研修・研究施設を開校しています。
今回講習に来てくださったボニ氏はルジエ社の調理アドバイザーとしてご活躍されています。
午前中は、まずフォワ・グラの血管の取り除き方と料理の講習が行われました。
その後フォワ・グラの歴史や製造方法、国別の消費量といった基礎知識を学びました。
そしてお待ちかねの試食タイム!学生も目をキラキラさせながらフォワ・グラの食べ比べをしました。
今回5種類のフォワ・グラを準備していただきました。
低温(Mi-cuit)と高温(Conserve)で火通ししたカとガチョウのフォワ・グラです。低温で火通ししたMi-cuitの種類もいろいろあり、フォワ・グラを丸のまま作ったENTIER(アンチエ)タイプと、カット処理した後の様々な大きさのフォワグラで作ったBLOC(ブロック)タイプがあり、以下の順番で試食しました。
① BLOC CANARD(カモ) (Mi-cuit)
② ENTIER CANARD(カモ)(Mi-cuit)
③ ENTIER OIE(ガチョウ)(Mi-cuit)
④ OIE(ガチョウ)(Conserve)
⑤ CANARD(カモ) (Conserve)
一度に多くの種類を食べ比べられたことは、良い経験になったと思います。
ボニ氏がどのフォワ・グラが美味しかったか?と研究生達に聞くと返答は様々でした。
学生の人気は②と③でしたが好みがあるので人それぞれに美味しさを感じる違いも勉強できました。ボニ氏からはいつもフォワ・グラを食べているフォワ・グラの産地の人は、長期保存のために高温まで火通ししたフォワ・グラを作り、良く火を通したフォワ・グラを好むというお話も聞きました。
午後は、ハンズオン形式で、研究生たちと一緒にフォワ・グラの血管を取り除く処理とフォワ・グラを使用した料理を作りました。
今回の講習、実習で作った料理です。
L'ESCALOPE DE FOIE GRAS DE CANARD POÊLEE AUX FRAISES GARIGUETTES ET SON BEIGNET DE FLEURS D'ACACIAS
BURGER D'EFFILOCHE DE CANARD ET SON PERAIL DE BREBIS
POINTES D'ASPERGES ET SON ESCALOPE DE FOIE GRAS, EMULSION DE LARD FUME
講習で作ったALLIANCE DE FOIE GRAS DE CANARD ET HOMARD BLEUを盛りつけました。
フォワ・グラの歴史から勉強して実際に食材に触れ、調理をすることで生産者や加工の技術、そして料理人が調理することで消費者を満足させることができると改めて知る機会となり、多くのことを学ぶことができました。
時代と共にフランス料理で使用する食材や、それを取り巻く環境、食材に関する考え方は変化しますが、キャビア、トリュフと並び、フランス料理を代表する食材であるフォワ・グラに特化した授業は研究生にとって貴重な体験となり、今後に活かすことができる素晴らしい1日でした。
最後に、ボニ氏から今回の経験から将来ルージエ社の商品を使ってたくさんの料理を考えてくれることを願っています・・・とお言葉をいただきました。
記念に今回作った料理と頂いたルジエ社のエプロンを付けて写真撮影をしました。